お家のメンテナンスのなかでも、比較的コストがかさむ外装リフォーム。きちんとメンテナンスしないと家を傷めてしまうので、定期的な塗装は必要ですが、なるべくならトータルでコストがかからないようにしたいですよね。そこで大切になってくるのが、長い目で見たメンテナンスコストを考えて塗料を選ぶことです。今回は塗料によってどのくらいコストに差が出るのか見ていきましょう。
外装リフォームのメンテナンスコストは塗料によって変わる
外装リフォームで使われる塗料は、「アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素」と大きく4種類に分けられます。
塗料の値段としてはアクリル塗料が最も安く、フッ素系が1番高価。しかし値段が安い塗料は長持ちしないので、頻繁に塗装が必要に。そのたびに足場を組んで、外壁全体を塗装して……となると、1回あたりの材料費が安くても、数十年スパンで見たメンテナンス費はムダにかかってしまいます。
塗料の種類別メンテナンスコストのシミュレーション結果
30歳で家を購入すると、1回目の外装リフォームが40歳くらいでやってきます。そこから85歳まで住むと仮定して、45年間のメンテナンスコストは一体どのくらいかかるでしょうか。
今回はそれぞれの塗料について、以下の塗り替えスパン・塗装費用でシミュレーションします。
塗り替えスパン | 1回あたりの塗装費用 | |
アクリル塗料 | 5年 | 70万円 |
ウレタン塗料 | 7年 | 75万円 |
シリコン塗料 | 10年 | 100万円 |
フッ素塗料 | 15年 | 115万円 |
それぞれ計算した結果が、次の図です。アクリル系が630万円とトータスコストが最も高く、フッ素系だと345万円と最もコストが抑えられる結果となりました。
1年あたりのコストを計算すると、以下のとおりです。
45年間のトータルコスト | 1年あたりのコスト | |
アクリル塗料 | 630万円 | 14万円/年 |
ウレタン塗料 | 525万円 | 11.6万円/年 |
シリコン塗料 | 500万円 | 11.1万円/年 |
フッ素塗料 | 345万円 | 7.6万円/年 |
このように外装リフォームでは、1回あたりのコストだけにとらわれていると、トータルで損をしてしまうことがあります。
外装リフォームのメンテナンスコストを安くするには?
では外装のメンテナンスコストを安く抑えるには、どうしたら良いのでしょうか。
その家にあと何年住むか?を考える
先ほどの45年間のシミュレーションでは、フッ素系塗料が1番お得という結果になりました。
しかし、フッ素系塗料の塗り替えスパンは約15~20年。仮に5年後に引っ越しする予定であれば、そこまでグレードが高い塗料は必要ありませんよね。
このように、どの塗料がお得になるかは「その家にあと何年住むか?」によって変わってきます。
もし10年以内に引っ越しや建て替えの予定があったり、短いスパンで家のデザインを変えたかったりする場合は、塗り替えスパンが短くて、1回あたりの塗装代が安く済む塗料がおすすめ。
反対に、今の家に10年以上住む予定でなるべくトータルコストを抑えたい方は、1回あたりの塗装代が高くなったとしても、長持ちする塗料を使ったほうがトータルでお得になるでしょう。
1回あたりの費用が安い塗料がおすすめ! | 長持ちする塗料がおすすめ! |
・10年以内に売却、賃貸に出す予定 ・気軽にイメージチェンジしたい | ・今の家に10年以上住む予定 ・塗装の手間や費用を抑えたい |
耐久性の高いスーパームキコートがおすすめ
「アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素」という種類によっても品質が変わることは広く知られていますが、意外とみなさん知らないのが「各成分の含有量によっても品質が変わる」ということ。
同じシリコン系の塗料でも、シリコンの含有率が低く10年ももたない商品もあれば、シリコンの含有量が高く20年近くもつ商品もあるのです。
そこでおすすめしたい商品の1つが、シリコン系なのにフッ素系以上の耐久性をもつ「スーパームキコート」という商品です。一般的なシリコン塗料はシリコン含有率5%くらいですが、スーパームキコートは含有率約50%となっており、非常に長持ちします。
この図を見ていただくとわかるように、通常1回あたりのコストは普通のシリコン系よりは少し高く、フッ素系よりは安くなるイメージです。そして45年間のメンテナンスコストを考えると、一般的なシリコン塗料より200万円近く安い計算になります。
もちろんこれは一例ですが、塗料を決める1つの参考にしていただければと思います。スペースアップでも、スーパームキコートの取り扱いをしておりますので、「塗装を長持ちさせたい」「なるべくメンテナンスコストは安く抑えたい」といった方は気軽にご相談くださいね。
記事の監修者
設計士
西村佳晃
一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。