マイホームとして一戸建てがほしいと思ったとき、中古物件を購入してリフォームするというのも一つの選択肢です。新築に比べると価格が安く、新築ではなかなか出てこないような立地の良い物件に出合えることもあります。
中古物件を購入するとき、立地や広さを意識される方は多いですが、その他にも注意すべき点が多々あります。中古の戸建てを検討されている方は、次のようなポイントを確認してみてくださいね。
中古物件購入時の注意点➀前面道路
まずは前面道路との関係。建築基準法には「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という接道義務があります。これは万が一のとき救急車や消防車などの緊急車両が建物に近づけるようにするためです。
建築基準法制定以前の古い中古物件だと、この接道義務を満たしていないことがあります。そうすると将来的に建て替えができなかったり、建物の面積が小さくなったりと制限がでてくるので注意が必要です。
中古物件購入時の注意点②敷地境界
隣地との敷地境界は、最近だと表面に線や矢印が刻まれた金属杭などを地面に打ち込んで示されていることが多いです。しかし古い木杭が腐っていたり、塀やフェンスの帰属先があいまいだったりして、隣地所有者との間でトラブルが生じてしまうこともあります。戸建ての中古物件を購入される際には、早い段階で隣地境界についてはっきりさせておきましょう。
中古物件購入時の注意点③建築確認の検査済証
中古物件を購入するときには「検査済証」という書類が売主の手元にあるかどうかも確認しましょう。検査済証は「建築基準法などのルールに沿っているか?」という建築確認が済んだことを示す書類です。
確認済証はあって当然と思われるかもしれませんが、一昔前までは取らないケースも珍しくありませんでした。もし検査済証がなければ、国交省のガイドラインに沿った調査に基づき作成した「建築基準法適合状況調査報告書」を代用することが可能です。しかしこれにも手間や費用がかかるので、中古物件購入の際は検査済証の有無はかならず確認しましょう。
中古物件購入時の注意点④築年数
中古物件を購入するとき、「築年数がなるべく新しいものを」と思われる方は多いのではないでしょうか。もちろん築年数は1つの目安になりますが、古くても状態が良く長持ちする物件もあれば、逆に築年数が新しいのにメンテナンス不足で状態が悪い物件もあるので、建物の状態を正確に見極めることが大切です。
また一部ですが、税金面において築年数が関係してくることがあります。例えば登録免許税や不動産取得税には住宅用家屋の軽減税率の特例がありますが、そのなかには「築20年以内(耐火建築物は築25年以内)」という要件が含まれています。それより古い中古住宅が軽減を受けるには、耐震性を証明する書類などが必要になります。
中古物件購入時の注意点⑤耐震性
築年数は耐震性にも関わってきます。建築基準法で必要とされる耐震性が大幅にアップした「1981年・2000年」の前に建てられた物件なのか後なのかが、1つの目安です。
1981年以降に建てられた中古物件であれば、新耐震基準で建てられていて、「震度5程度の地震で損傷せず、震度6~7程度の地震で倒壊・崩壊しない」程度の耐震性を備えています。また2000年以降は、筋交いや耐力壁のバランスなどのルールが明記されたので、さらに安心感が高いです。
ただし築年数が古くても耐震性の高い物件はあるので、築年数はあくまでも目安にしかなりません。耐震性もプロに見てもらってくださいね。もし耐震性が低い場合は、耐震補強分も費用に含んでおきましょう。
まとめ
中古物件を購入するときには、見ただけでわかるキレイさだけでなく、建物の性能などのチェックがとても大切になってきます。なかなかご自身でチェックするのは難しいので、リフォーム業者の担当者などプロといっしょに物件探しをされることをおすすめします。
スペースアップでも法律関係のチェックや建物の状態、リフォームのしやすさなど、プロの視点から物件選びのアドバイスをさせていただくことが可能です。リフォーム費用まで含めた予算も立てられますので、ぜひ早めにご相談ください。
記事の監修者
設計士
西村佳晃
一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。