リフォームコラム

リフォームも住宅ローン減税の適用対象!対象要件やその他の減税制度も

あちこちリフォームをすると費用もかさみ、借入金額も高額になることから「何か負担を減らす方法はないのだろうか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。実はリフォームも要件を満たしていれば「住宅ローン減税」が利用できることもあります。

今回はリフォームでも「住宅ローン減税」を利用するための方法を詳しく解説します。対象となる工事や、手続きの方法、住宅ローン減税以外に活用できる減税制度などもあわせて紹介しているので、リフォームをお考えの方はぜひ参考にしてくださいね。

リフォームも「住宅ローン減税」の対象となる!

「住宅ローン減税は、新築物件を購入した場合に使える制度なのでは?」と思われやすいのですが、実はリフォームをした場合も対象となることがあります。そのためには一定の要件を満たしている必要があるのですが、その前にそもそも住宅ローン減税とは一体何なのか、詳しく見ていきましょう。

そもそも住宅ローン減税とは?

住宅ローン減税とは「住宅借入金等特別控除」のことです。
住宅ローンあるいはリフォームローンは借入金額が多くなるため、金利負担も大きくなります。そこで住宅(リフォーム)ローンの残高に応じて控除することで、住宅購入の後押しとなるよう考えられた制度です。

具体的には、年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除でき、所得税から控除しきれない場合は翌年分の住民税からも控除されます。
リフォームの場合、控除期間は10年間で、2022〜2025年に入居した方が対象です。

借入限度額(※1)控除期間控除率対象期間
長期優良住宅3,000万円10年間0.7%2022~2025年に入居
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
その他の住宅2,000万円

出典:国土交通省「住宅ローン減税制度について」

(※1)住宅ローン減税の対象となるローンの年末残高の上限のことです。

【2023年】リフォームにおける住宅ローン減税制度について

概要でも少し触れたように、リフォームで住宅ローン減税を受ける場合、一定の条件を満たす必要があります。「実は控除対象外だった……」とならないように、控除対象となる工事内容や適用要件などを確認しておきましょう。
あわせて手続きの流れについてもご紹介しますので、申請の際の参考にしてくださいね。

出典:国土交通省「住宅ローン減税制度について」

控除対象となるリフォーム工事

住宅ローン減税を利用するには以下の工事の、いずれかに該当する必要があります。

  • 大規模の修繕又は大規模の模様替えの工事(増築、改築、建築基準法の規定による)
  • マンションの専有部分の床、階段または壁の過半についておこなう一定の修繕・模様替えの工事
  • 家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下のいずれかの床、または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
  • 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事

なお、一定の工事と記載した部分については、国土交通省「住宅:リフォーム減税制度に関するよくあるご質問 」を参照していただくか、リフォーム会社の担当者にご確認ください。

住宅ローン減税の適用要件

住宅ローン減税には、以下の適用要件をすべて満たす必要があるため、よく確認しておきましょう。

①リフォームする住宅の
用途と居住スペース
・居住用
・店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用
②床面積50㎡以上
③所得制限合計所得金額が2,000万円以下
④入居までの期間引き渡しや工事完了後から6ヵ月以内に自ら住む必要がある
⑤ローンの返済期間10年以上
⑥リフォーム費用100万円以上の工事(補助金などを差し引いた額)
⑦中古物件の場合は
どちらかを満たしているか
・1982年1月1日以降に建てられた家屋
・「耐震基準適合証明書」「建設住宅性能評価書の写し」「既存住宅売買瑕疵保険付証明書」のいずれかで証明された家屋
⑧買取再販住宅の場合及び
一定の増改築等工事を実施した場合に必要な証明書
「増改築等工事証明書」により一定の工事に該当することを証明

特に注意したい部分は、工事費用が100万円を超えなければ対象とならないところです。合算して100万円ではなく、1回で100万円以上の工事でなければなりません。

また、自分名義の家で自分が住むためにリフォームを行うのが前提となります。実家のリフォームを行い、自分は住まずに親だけが住む場合などは適用外です。

住宅ローン減税を受けるための手続き

住宅ローン減税で控除してもらうには、リフォーム完了後(入居後)の翌年に確定申告をしなければなりません。次年度からは会社などの年末調整で手続きが可能です。
ここからは必要な手続きを紹介します。

必要な書類一覧

まずは確定申告の前に、以下の書類を集めておきましょう。増改築等工事証明書や登記事項証明書などは、リフォーム完了時に施工業者から渡されている可能性もあります。必ず保管しておきましょう。

発行先書類
税務署または国税庁確定申告書(e-Taxで作成・提出可能)
税務署または国税庁住宅借入金等特別控除額の計算証明書(e-Taxで作成・提出可能)
リフォーム会社増改築等工事証明書
リフォーム会社または不動産会社住宅性能(長期優良住宅、低炭素住宅など)を示す書類
金融機関住宅ローン年末残高等証明書
法務局登記事項証明書
勤務先等源泉徴収票など所得が分かるもの
自分または役所マイナンバーカード(通知カード)
本人確認書類

確定申告はどこでできる?

確定申告は最寄りの税務署または国税庁のe-Taxで電子申告が可能です。毎年2月16日~3月15日が確定申告の期間となっています。
「確定申告書の書き方が分からない」という方は最寄りの税務署で相談しながら、申告が行えます。
「確定申告時期の税務署は混雑しているから出向きたくない」「ある程度のやり方は分かる」という方は税務署へ郵送するか、インターネットで申告ができるe-Taxがおすすめです。

確定申告の流れ

  1. 税務署で申告をする場合は、上記書類をそろえて管轄する税務署へ出向きましょう。インターネットで申告する場合は、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告書を提出します。
  2. 職員あるいはホームページの利用手順に沿って、申告書を作成します。
  3. 必要書類を提出しましょう。インターネットの場合は必要書類を郵送あるいはPDFで送付できます。

リフォームで受けられる住宅ローン減税以外の減税制度

リフォームでは住宅ローン減税以外にも、特定のリフォームに利用できる「住宅特定改修特別税額控除」も存在します。この制度は、省エネ、耐震、介護などを目的としてリフォームを行った際に控除が受けられるものです。

住宅ローン減税とは異なる点は、住宅(リフォーム)ローンを借入しなくても受けられる措置であることです。この措置を「投資型減税制度」と呼び、自分の資金のみを投資してリフォームした場合に利用できる制度です。
そして控除額は工事に要した金額ではなく、国土交通省が定めた「標準的な工事費用相当額」を利用して算出されます。

対象工事標準的な工事費用相当額住宅ローン減税との併用控除率(投資型減税)
耐震リフォーム250万円10%
バリアフリーリフォーム200万円×
省エネリフォーム250万円(350万円)(※2)
三世代同居対応リフォーム250万円
長期優良住宅化リフォーム
(耐震or省エネ+耐久性向上)
250万円(350万円)(※2)
長期優良住宅化リフォーム
(耐震+省エネ+耐久性向上)
500万円(600万円)(※2)

(※2)()の金額は太陽光発電装置を併せて設置する場合

対象工事(1)耐震リフォーム

旧耐震基準の家屋を耐震リフォームする場合に適用となるため、現行の耐震基準に適合した家屋は対象外となります。
また住宅ローン減税との併用が可能なので、まとめてリフォームするのもおすすめです。

標準的な工事費用
相当額
250万円
控除限度額
(投資型減税)
25万円
主な要件・昭和56年5月31日以前に建築された家屋
・改修後の家屋が現行の耐震基準に適合するもの
・2つ以上住宅を所有している場合、主な目的が居住用であること
住宅ローン減税
との併用
固定資産税の軽減固定資産税額の1/2(減税は1年間)
証明書類いずれか1点
・増改築等工事証明書
・住宅耐震改修証明書

対象工事(2)バリアフリーリフォーム

バリアフリーはリフォームをする人、あるいは同居している人の年齢や心身の状態によって控除要件が決まっています。

標準的な工事費用
相当額
(投資型減税)
50~200万円
控除限度額
(投資型減税)
20万円
主な要件
(いずれかに該当)
① リフォームをする人が50歳以上
②要介護あるいは要支援認定を受けている人
② 障がいのある人
④65歳以上または②③の親族と同居している人
床面積改修後50㎡以上
住宅ローン減税
との併用
×
固定資産税の軽減固定資産税額の1/3(減税は1年間)
証明書類・増改築等工事証明書
・固定資産税軽減の場合はバリアフリー改修工事を証明できるもの
(市区町村によって異なる可能性あり)

対象工事(3)省エネリフォーム

省エネリフォームは、窓断熱が必須です。そのため、床や天井のみを断熱改修したとしても控除対象となりません。
また太陽光発電設備を同時に取り付けることで、控除限度額がアップします。

標準的な工事費用
相当額
50~250万円(350万円)(※3)
控除限度額
(投資型減税)
25万円(35万円)(※3)
主な要件・「全ての居室」の「全ての窓」の断熱改修工事が必須。窓は内窓工事でも可。床、天井、壁の断熱工事は任意。
・省エネ性能が平成28年省エネ基準相当に適合
・一般断熱改修工事等を行っていること
床面積改修後50㎡以上
住宅ローン減税
との併用
×
固定資産税の軽減固定資産税額の1/3(減税は1年間)
証明書類増改築等工事証明書

(※3)()の金額は太陽光発電装置を併せて設置する場合

対象工事(4)同居対応リフォーム

親世帯と子世帯が同居するために、キッチンや浴室、トイレなどを2ヵ所以上増設することで、控除が受けられます。
リフォーム後に同居することが算定要件ではないので「同居する可能性があるかもしれない」という方も、同時に行っておくといいかもしれません。

標準的な工事費用
相当額
50~250万円
控除限度額
(投資型減税)
25万円
主な要件いずれかの増設工事を行っていること
①調理室
②浴室
③ 便所
④ 玄関
・①~④が2ヵ所以上となること
床面積改修後50㎡以上
住宅ローン減税
との併用
×
固定資産税の軽減なし
証明書類増改築等工事証明書

対象工事(5)長期優良住宅化リフォーム

耐久性向上工事に加え、耐震または省エネリフォームあるいは両方を行うのかによって、控除限度額が異なります。
同時に太陽光発電設備を設置すると限度額がさらにアップするので、この機会にまとめて工事をするのもひとつの手です。

耐震or省エネ+耐久性向上耐震+省エネ+耐久性向上
標準的な工事費用
相当額
50~250万円(350万円)500万円(600万円)
控除限度額
(投資型減税)
25万円(35万円)50万円(60万円)
主な要件・耐震改修または省エネ改修工事及び耐久性向上改修工事それぞれ50万円以上の工事が必要
・50万円以上の耐震改修で旧耐震基準から新耐震基準に新たに適合させるための工事が必要
・増改築による長期優良住宅の認定を受けていること(計画時の申請が必須)
床面積改修後50㎡以上
住宅ローン減税
との併用
×
固定資産税の軽減固定資産税額の2/3(減税は1年間)
証明書類増改築等工事証明書

リフォーム資金の贈与では贈与税が非課税になるケースも

リフォームのための資金が、すべて自己資金で賄えるとは限りません。両親や祖父母から資金援助を受けることもあると思いますが、年間110万円以上の資金援助を受けると、贈与税が発生します。
ただし、贈与された金額を全額リフォーム資金として使用する場合、最大1,000万円までの贈与が非課税となる「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」が利用できるケースもあります。ここでは大まかな要件を見ていきましょう。

非課税限度額住宅の種類
500万円下記以外の住宅
1,000万円省エネ等住宅
(1~3のいずれかに当てはまる家)
  1. 断熱性能が高い家
  2. 耐震性能が高い家
  3. バリアフリーの家

上記の要件に加え、贈与する人とされる人の関係が“両親から子ども”あるいは“祖父母から子ども”の場合のみ適用されます。つまり、“叔父から甥”や“兄から妹”に贈与した場合は適用外です。
贈与される人の年齢や所得にも制限があり、18歳以下の人や収入が2,000万円以上の人は適用外となります。
親族などからリフォームをする住宅を購入したり、リフォームを親族など関係性のある人に依頼するのも適用外となるなど、細かな要件が定められています。

リフォーム資金の贈与に関する非課税制度についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

出典:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」

まとめ

住宅ローン減税は、リフォームでも活用できる制度です。適用されるためには確定申告が必要なので、忘れずに申告をしておきましょう。そのほか「住宅特定改修特別税額控除」や「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」などの制度を上手に活用することでお得にリフォームが行えるので、利用できるか確認することをおすすめします。

しかし、減税や非課税制度に該当するか分からないという声も聞かれます。困ったときはぜひスペースアップにご相談ください。お得にリフォームができる方法をご提案させていただきます。

まずはお気軽に
お問い合わせください

店舗で相談
見積依頼・お問合せ

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。