リフォームコラム

外壁の種類と選び方は?おしゃれな外壁のポイントや費用について解説

家の印象や、住み心地を左右する外壁。外壁材にはさまざまな種類があり、デザインや機能性だけでなく、メンテナンスにかかる手間や費用も異なります。バリエーションが豊富なので、どの外壁を選べばいいのか迷ってしまいますよね。

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今回は、外壁の種類や選び方について解説します。おしゃれな外壁を作るポイントやリフォーム方法も紹介しますので、外壁リフォームを検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。

外壁材の種類と特徴

日本の戸建住宅に使われる代表的な外壁材には、「サイディング」「モルタル」「ALC」「タイル」などがあります。素材別に特徴や費用・メンテナンス周期などを確認してみましょう。

窯業系サイディング

■費用相場:1㎡あたり3,000円〜
■耐用年数:最大40年ほど
■リフォーム周期:約8〜10年

窯業系サイディングは、セメント・繊維質などで作られた外壁材です。日本の約8割の住宅で窯業系サイディングが使われており、圧倒的なシェアを占めています。
デザインが豊富で、費用が安いのが特徴。施工期間が短い点も、選ばれる理由の1つでしょう。耐火性に優れているのも魅力です。

ただし素材自体に防水性がないため、ほかの外壁材と比べるとリフォーム周期がやや短め。定期的に塗装などのメンテナンスを行い、耐久性を保ちましょう。

金属系サイディング

■費用相場:1㎡あたり4,000円〜
■耐用年数:最大40年ほど
■リフォーム周期:約10〜15年

ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金などで作られている金属系サイディングは、窯業系サイディングの次によく選ばれている外壁材です。
ほかの外壁材に比べて軽く、建物への負担も少ない上、耐震性・耐熱性に優れています。

窯業系サイディングよりもリフォーム周期は長いですが、衝撃や温度変化による変形が起きやすいため、定期的なメンテナンスは欠かせません。

モルタル

■費用相場:1㎡あたり4,500円〜
■耐用年数:最大30年ほど
■リフォーム周期:約8〜10年

砂とセメントが主原料のモルタルは、工場で製造されるサイディングと異なり、職人が現場で仕上げる外壁材です。
「リシン」「吹付けタイル」など、施工主の好みに合わせた仕上げ方が選べるのが特徴。曲面に施工できる点も、ほかの外壁材にない魅力の1つです。

ほかの外壁材と異なり、モルタルの外壁には「つなぎ目」がないため、目地の補修はありません。しかし、ひび割れや汚れなどで劣化しやすい面もあるため、定期的なチェックとメンテナンスが大切です。

ALC

■費用相場:1㎡あたり7,000円〜
■耐用年数:最大50年ほど
■リフォーム周期:約10〜15年

セメントや発泡剤を主原料としたALCは、重量がコンクリートの1/4と非常に軽く、別名「軽量気泡コンクリート」と呼ばれています。耐火性・耐熱性・遮音性に優れていて、高性能な外壁材の1つです。

とても優秀で長持ちするALCですが、初期費用はやや高め。また水や湿気を吸いやすい特性があるため、定期的な塗装メンテナンスなどで、防水性を保ちましょう。

タイル

■費用相場:1㎡あたり13,000円〜
■耐用年数:最大30年ほど
■リフォーム周期:約20年

土や石などで作られたタイルはとても硬く、キズや汚れが付きにくい外壁材。耐久性・耐火性に優れていて、経年劣化がほとんど起こりません。ほかの外壁材と比べて初期費用は高めですが、メンテナンスの手間と費用が抑えられるため、トータルコストは割安になるケースもあるでしょう。

経年劣化が起きにくいタイルですが、施工不良によって剥がれや浮きが生じるケースもあります。外壁タイルの施工を得意とする業者を選ぶのが重要です。

外壁材を選ぶ際のポイント

外壁材にはそれぞれ魅力的な特徴があるため、どれが一番よいのか迷ってしまいますよね。外壁材を選ぶ際のポイントをしっかり押さえて、最適な素材を選びましょう。

まずは重視したいポイントを明確に

外壁材を選ぶ際に大切なのは、重視したいポイントを明確にすることです。
機能性重視なのかデザイン重視なのか、それとも、予算を抑えたいのかメンテナンスの手間を減らしたいのか……。一番重視したいポイントが明確になれば、自宅に最適な外壁材が選べるはずです。

気候や環境にあわせて選ぶ

お住まいの地域の気候に合わせて外壁材を選ぶのもポイントです。

たとえば雪がよく降る地域であれば、軽量で水にも強い金属サイディングなどがよく使われます。水はけや日当たりが悪い土地では、セルフクリーニング機能がついた外壁材を選ぶとコケやカビが繁殖しにくくなるかもしれません。
機能性を重視して外壁材を選ぶと、外壁が長持ちし、長期間快適に暮らせるようになりますよ。

デザインや色柄のバリエーション

家の外観の印象を作る外壁材は、好みのデザインや色柄を選ぶと、満足度がぐっと高まるはず。デザインや色柄のバリエーションの多さで、外壁材を選ぶのもよいでしょう。
たとえば金属サイディングやモルタルなら、モダンでかっこいい雰囲気に。タイルやタイル風の窯業サイディングなら、高級感を演出できます。南欧風の住宅にしたいなら、漆喰などの白い塗り壁もおすすめです。

メンテナンスの手軽さや耐久性

定期的なメンテナンスが必要な外壁は、メンテナンスの手軽さや耐久性も重要な要素です。

たとえば木質系サイディングは窯業系や金属系にはない自然な木の温もりが感じられますが、木材を使っているのでほかの外壁材よりこまめなメンテナンスが必要です。
なるべくリフォームの手間をかけたくない方は、ALCやタイルなどメンテナンス周期が長い外壁材を選ぶとよいでしょう。

初期費用とメンテナンス費用

外壁材は、初期費用とメンテナンス費用をどちらも計算した上で、選ぶことをおすすめします。いくら初期費用が抑えられても、先々のメンテナンス費用がかさむと、トータルコストが高くなるからです。数十年単位で付き合う外壁材だからこそ、長い目で見てしっかりと厳選しましょう。

おしゃれな外壁を作るためのコツ

次に、おしゃれな外壁を作るためのコツを紹介します。「色」と「テイスト」にこだわると、きっと素敵な外壁に仕上げられるでしょう。

おすすめの外壁の色

ネイビー

モダンな雰囲気があり、近年人気を集めているネイビー。シックでありながら、ブラックよりも明るい印象を作れます。重たくなりすぎず、おしゃれな外観に仕上がるでしょう。汚れが目立ちにくい色でもあるため、実用性も兼ね備えた色だといえます。

ベージュ

外壁に使われる定番色。ホワイトに少し黄色がかった色味は、柔らかい印象の中に気品を感じます。外観のテイストを選ばず、どんな家にも合うのがベージュの魅力。けれども、ベージュ単色だと華やかさに少しかけるため、ワンポイントでほかの色を取り入れるのもおすすめです。

グレー

スタイリッシュで、シックな外観に仕上げたいときにおすすめ。外壁の汚れも目立ちにくい色といわれていて、おしゃれさと実用性を兼ね備えています。周りと調和しやすい一方、色の濃さにこだわって個性を出せるのも魅力です。

おすすめの外壁のテイスト

ナチュラル

やわらかで温かみを感じるデザイン。ホワイトやベージュのサイディングや塗り壁、木の素材感を取り入れるのがおすすめです。本物の木材は劣化が心配ですが、木目調の窯業系・金属系サイディングを選べば、メンテナンスの手間を減らせます。

和モダン

伝統的な和のテイストに、現代的な雰囲気をプラスしたデザイン。玄関ドアや面格子など和を感じさせるアイテムと、外壁にはALCやサイディングなどモダンな素材を使用します。風合いのあるモルタルや漆喰、土壁などの塗り壁もおすすめです。

シンプルモダン

ムダを削ぎ落としたシンプルなデザイン。外壁には、金属サイディングやコンクリートなど、無機質でシャープな印象の素材がよく合います。外壁の色は、ブラックやホワイト・グレーなどのモノトーンがおすすめです。

外観の色を選ぶ際の注意点

面積効果を考慮

面積効果とは、同じ色でも面積が大きくなればなるほど、彩度・明度が上がって見える現象です。面積効果を考慮すると、「明るい色はワントーン暗め・暗い色はワントーン明るめ」にする、なるべく大きなサンプルを見て決めるなどの対策が必要。思い描くイメージと、完成した外観に差が生まれないよう、リフォーム業者としっかりと相談しましょう。

周りとの調和を確認

外壁の色は、周りの住宅や環境との調和を確認してから決めましょう。個人の持ち家とはいえ、住宅は街を構成する要素の1つ。周りの景観が損なわれないよう配慮すると、トラブルを回避できるでしょう。

住んでいる家の外壁材の補修について

外壁は、定期的なメンテナンスが大切です。外壁のメンテナンスを適切に行うために、住んでいる家の外壁材について調べて、適切な補修方法を検討しましょう。

住んでいる家の外壁材を調べる方法

外壁材の種類を調べる方法はいくつかありますが、中でも簡単な方法を紹介します。ご自身で判別が難しいときには、家を建てたときの図面で確認したり、リフォーム会社へ依頼したりしましょう。

目地の有無

目地がある→窯業系サイディング、ALC
目地が目立たない→金属系サイディング
目地がない→モルタル
目地がある窯業系サイディングとALCを、一目で見分けるのは難しいかもしれません。しかし、窯業系サイディングは縦の長さが約3mなので、地面から約3mの位置に水平方向の目地がある外壁は、窯業系サイディングである可能性が高いでしょう。

外壁の質感、叩いたときの音

砂とセメントが主成分のモルタルは、手作業で模様を仕上げるため、ほかの外壁材と比べるとざらざらとした質感が特徴。また金属系サイディングは、叩いたときの音が金属特有のカンカンとした音がするため、ほかの外壁材と区別しやすいでしょう。

外壁材の補修方法と費用相場は?

外壁材の劣化症状が見られたら、傷みの程度や予算に合わせてリフォームを行います。

外壁材の劣化症状リフォーム費用の相場
ひび割れ1カ所あたり1~10万円程度
コーキングの劣化打ち変え:1mあたり900~1,200円程度
打ち増し:1mあたり500~900円程度
鉄部のサビ1㎡あたり500~1,000円程度
穴・傷・へこみ1カ所あたり1万円~

部分補修

外壁材の塗膜が古くなってきたり、地震などで大きな力がかかったりすると、ひび割れやへこみなどの劣化症状が見られることがあります。放っておくと雨水が入ったり、内部まで劣化が進んだりすることもあるので、適切に補修しましょう。

塗り替え

一般的な窯業系サイディングの場合、およそ10年周期で表面の塗装を塗り替えます。10年経っていなくても、塗膜の浮きや剥がれ、チョーキング(表面を手で触ると粉状の塗料がつく)などの劣化症状が見られれば、塗り替えのタイミングです。
リフォーム費用の相場は、30坪の戸建て住宅で100万円前後。工期はおおよそ7〜10日かかります。

張り替え

外壁材の劣化が激しければ、塗り替えだけでの対応は難しくなります。今ある外壁を取り除いて、新しい外壁を張り替える大掛かりなリフォームが必要です。
リフォーム費用は30坪の戸建ての場合で150〜250万円ほど。工期はおおよそ17〜21日かかります。
窯業系サイディングで定期的な塗装がきちんとできている場合は、「築10年で塗り替え→築20年で塗り替え→築30年で張り替え」といったように3回目前後のリフォームで張り替えるのが一般的です。定期メンテナンスが不十分だと、もっと早い段階での張り替えが必要になることもあります。

重ね張り(カバー工法)

今ある外壁材を撤去せずに、上から新しい外壁を重ねて張るリフォーム方法もあります。
リフォーム費用の相場は、30坪の戸建ての場合で130〜240万円ほどと、張り替え工事に比べて安価に。工期も約10〜14日と短めです。
ただしすべての外壁でカバー工法ができるわけではなく、狭小地や付帯物の多い建物など向いていないケースもあります。外壁材が二重になる分重量が増すので、上から重ねる外壁材には金属系サイディングなど軽量のものが採用されます。

外壁のリフォームで使える助成金や保険について

定期的に行わなければならない外壁のリフォームは、その都度高額な費用がかかり、家計の負担になりかねません。費用を節約する方法があれば、積極的に活用したいですよね。ここでは、外壁リフォームに使える助成金や、保険が使えるケースを紹介しますので、活用できる制度がないか調べてみましょう。

補助金制度を活用できるケース

外壁リフォームに補助金制度を活用できるケースは、大きく分けて2つあります。
1つ目が、「省エネにつながるリフォーム」に該当する場合です。
国や自治体では、環境への配慮を目的とした工事に対して、助成金を設けています。「断熱改修工事」に該当する外壁リフォームは、助成の対象となるケースも。国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」などがありますので、該当する補助金がないか調べてみましょう。

2つ目は、一般的な外壁リフォームで、お住まいの自治体の条件を満たしている場合です。多くの自治体には、家のリフォーム費用を助成する制度がありますが、自治体ごとに条件が異なるため、事前に調べてみましょう。

助成対象の条件には、次のようなものがあります。

  • 子育て、若年世帯が行うリフォーム
  • リフォーム費用が○○円以上
  • 市区町村内の業者へ依頼する工事
  • リフォーム完了から○年以上居住すること

補助金制度には申請期限がありますが、予算の上限に達すると、期限よりも早く締め切られる場合があります。助成対象に該当している場合は、早めに申請しましょう。

火災保険を活用できるケース

大型台風などの自然災害(風災)が原因で外壁をリフォームした場合、火災保険を活用できるケースがあります。たとえば、以下のような条件を満たしている場合です。

  • 最大瞬間風速が20m/秒以上の風による被害
  • 風災によるリフォーム費用が20万円以上
  • 風災から3年以内(リフォーム後の申請でも可)

火災保険に自然災害による外壁破損を申請すると、損害保険鑑定人が調査を行います。調査の結果、自然災害による破損と認められない場合には、火災保険は活用できません。外壁破損の原因がはっきりわからない場合には、経験豊富なリフォーム業者へ調査を依頼して、判断してもらうのがよいでしょう。

外壁をリフォームする際の注意点

次に、外壁リフォームをする際の注意点を説明します。ぜひ参考にしていただき、リフォームでの失敗やトラブルを未然に防ぎましょう。

外壁のメンテナンスは先延ばしにしない

外壁のメンテナンスは先延ばしにせず、定期的に行うのが大切です。

外壁は雨風や紫外線、自然災害などの影響を受けて、徐々に劣化していきます。ダメージを放置してしまうと、防水性が下がり、建物の腐食につながりかねません。
早期にメンテナンスをすれば塗装で済んだダメージでも、先延ばしにした結果、張り替えなどの大がかりなリフォームが必要になる場合も。定期的にメンテナンスを行い、家の耐久性を保ちましょう。

外壁と屋根のリフォームは同時に行う

外壁と屋根のリフォームは、同時に行うとリフォーム費用の節約につながります。
外壁や屋根リフォームは高所作業のため、足場が必要です。足場を立てる費用はおおよそ15万円。これに、外壁や屋根のリフォーム費用がプラスされます。
どちらかのリフォームがずいぶん先でない限り、外壁と屋根は同時にリフォームし、足場費用を節約するのがおすすめです。

騒音・臭いトラブルに気を付ける

外壁リフォームは、騒音や匂いのトラブルが起きないよう、注意が必要です。
外壁リフォームの騒音は、おもに足場を立てるときに起こりやすいもの。あらかじめ業者へ相談し、音が出る作業の時間帯を考慮してもらいましょう。

また外壁リフォームは、塗料の匂いが発生するのは避けられません。事前に近隣住宅へあいさつに出向き、工事内容や日程、音がなる日などを伝えると、トラブルを未然に防げるでしょう。

信頼できる業者に依頼する

満足度の高い外壁リフォームを行うためには、外壁リフォームを得意とする業者を選ぶのが肝心です。
外壁塗装は免許や許可を取る必要がないため、どのような業者でも取り扱えます。中には施工の質・費用ともに悪質な業者がいるのも実情です。
外壁リフォームを失敗させないためにも、複数の業者へ相談・見積もりをとり、比較検討することをおすすめします。

おしゃれな外壁のデザイン事例

ここまで外壁の種類や選び方について説明しましたが、実際にリフォームした事例を見ると、よりイメージしやすくなるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

【事例1】鮮やかなブルーの外壁

築25年の戸建住宅の外壁を、心が晴れるような鮮やかなブルーに塗装したリフォーム事例です。ブルーの外壁はおしゃれで個性的ですが、空や海の色なので自然とも調和しやすいカラーになります。爽やかな印象にしたい方、明るい気持ちになるカラフルな家にしたい方、サーフィンや海が好きな方にもおすすめです。
ブルーの外壁にいいアクセントとなっているのが、白い玄関ドア。色のコントラストが、おしゃれさを引き立てていますよね。

まとめ

外壁には、さまざまな種類があります。素材別に特徴や費用・メンテナンス周期などが異なるため、重視したいポイントを明確にして、家に最適な外壁材を選びましょう。
また、外壁の色やテイストにこだわり、おしゃれな外壁にリフォームするためには、業者選びが大切です。多くの業者を比較しながら、理想の外壁に仕上げましょう。
スペースアップでは、それぞれのおうちに最適な外壁リフォームをご提案します。施工実績も数多くありますので、ぜひお気軽にご相談ください。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。