リフォームコラム

浴室暖房って?メリットデメリットや費用について解説!

冷たい浴室を暖かくしてくれる設備「浴室暖房」。他の部屋との温度差を小さくすることで、急激な血圧変動によるヒートショックを防ぐ効果があります。近年の浴室暖房には乾燥機能も搭載されているため、湿気やカビ対策も可能になりました。そのほかにも快適な浴室にしてくれる機能があるので、ライフスタイルに合わせて選んでいきましょう。

今回は、浴室暖房乾燥機のメリットデメリットや設置にかかる費用、後付けする際の注意点などをご紹介します。

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浴室暖房って?

浴室暖房とは、冷えた浴室を暖かくする設備のこと。天井や壁の高い位置に取り付けて、暖かい風を浴室内にまんべんなく送り込みます。冬場の浴室はひんやりしていて、足を踏み入れるのも億劫ですよね。浴室暖房を設置すれば、快適に入浴ができるようになります。

よりストレスフリーに過ごすなら、入浴前に暖房スイッチを入れておき、浴室内が十分に温まってから入浴するのがポイントです。お年寄りや子どもは温度差に敏感なので、浴室の寒さでお悩みの場合は、前向きに浴室暖房リフォームを検討されるとよいでしょう。

浴室乾燥機との違い

浴室乾燥機は、浴室内の湿った空気を屋外に逃して、湿気を軽減させる設備のこと。入浴後の浴室を換気せず、ジメジメしたまま放っておくと、壁や床にカビが発生してしまうことがあります。カビは浴室の寿命を短くするとともに、人体の健康にもよくありません。浴室乾燥機を使って十分に乾燥させれば、浴室内のカビの繁殖を抑えることができますよ。

ほとんどの浴室暖房には乾燥機能が搭載されている

浴室を暖めてくれる「暖房」と湿気を取り除いてくれる「乾燥」。最近では、ほとんどの浴室暖房に乾燥機能も付いています。「浴室暖房乾燥機」と呼ばれており、用途に合わせて使えるので非常に便利です。

ほとんどの場合、暖房は寒い日につけますが、乾燥は年中出番がありますよね。入浴後に乾燥をつけるのはもちろんのこと、洗濯物を乾かす際にも活躍します。商品によっては、浴室で衣類を干す専用の「衣類乾燥機能」が付いていることも。なかなか外では干しづらい住宅密集地やマンション、日が入りにくい北や東にベランダが設置されている住宅には嬉しい機能です。

浴室暖房乾燥機の主な機能

乾燥機能

乾燥機能は、湿気の防止やカビの繁殖対策に効果的です。入浴後はどうしても湿気がこもるので、乾燥機能を使って排出するのがおすすめ。衛生面も保たれ、設備も長持ちしますよ。梅雨や花粉、降雪のシーズンなど外で洗濯物を干すのが難しい場合にも乾燥機能は役立ちます。室内干しだとにおいや湿気が気になりますが、浴室干しならそれらの悩みも解決するでしょう。

暖房機能

浴室を暖かくしてくれる暖房機能。他の部屋との温度差を小さくして、心身への負担を軽減することができます。浴室が寒いと、子供や高齢者は温度差に驚いてしまい、入浴が億劫になってしまうこともあります。冬場の入浴に躊躇している方は、暖房機能を使えば解決できるかもしれません。また足元がひんやりしやすいタイル張りのお風呂でも、暖房機能を活用すれば快適度がアップするでしょう。

換気機能

窓を開けなくても、スイッチひとつで換気ができる機能。住宅によっては、浴室に窓がない場合もありますよね。そのような住宅には換気機能が備わった浴室暖房乾燥機を設置すると、手軽に空気を入れ替えることができますよ。換気にかかる電気代は乾燥よりも安いので、節約になるメリットもあります。

涼風機能

扇風機代わりになる涼風機能。入浴は夏バテ対策にもなるといわれていますが、暑すぎてのぼせてしまうのが心配です。涼風機能を使えば、夏場も快適・爽快に入浴できますよ。冷たい空気が出るわけではありませんが、風を送ることで体感温度は下げてくれます。熱中症対策として、夏場関係なく浴室が暑すぎると感じたら活用してみましょう。

24時間換気機能

2003年にシックハウス対策として設置が義務化された24時間換気機能。昔の住宅はすきま風の出入りが多かったので、わざわざ換気設備を使わなくても問題ありませんでした。しかし、近年の住宅は高気密高断熱が増えたため、シックハウス症候群や結露を防ぐためにも、機械によって24時間換気することとなっています。浴室暖房乾燥機の24時間換気機能は、常時運転するのがおすすめです。

浴室暖房乾燥機を付けるメリット

夏も冬も快適に入浴できる

夏場の入浴は暑さでのぼせてしまったり、冬場は隣の部屋との温度差によるヒートショックが起きやすかったりと危険が隠れているもの。浴室暖房乾燥機には涼風や乾燥などの機能が備わっているため、夏は涼風、冬は暖房と使い分けると快適な入浴時間を手に入れられます。

とくに高齢者や幼い子供は、暑さや寒さによる体の負担が大きいので、浴室暖房乾燥機の採用はおすすめです。長風呂がお好きな方も機能をうまく活用しながら、安全で快適な入浴を楽しんでくださいね。

浴室のカビ対策になる

換気や乾燥を使うと、浴室のカビ対策になります。よく入浴後に冷水シャワーを壁や床にかけることはカビ対策になるといわれていますが、有効な方法は浴室暖房乾燥機の活用です。

カビ対策を徹底したい場合は、換気よりも乾燥機能を使うのがおすすめ。換気と乾燥の大きな違いは、「水滴を乾かすスピード」。換気だけだと水気を取り除けずカビが発生しやすいですが、乾燥機能を使うと浴室全体のジメジメした湿気を屋外に出しつつ温風を循環させて、短時間でカラッと乾燥させられます。

浴室に洗濯物を干せる

梅雨や花粉の時期は屋外に洗濯物を干すことができず、部屋干しする方もいらっしゃいます。しかし部屋干しはニオイや湿気が気になるところ。そこで浴室のランドリーパイプに洗濯物を干して、乾燥機能をつけてみましょう。部屋干しならではのニオイが気にならず、短時間で洗濯物が乾きますよ。

部屋干しよりもスピーディーに乾くので、1日に数回洗濯物を干すことも可能。共働きで毎日洗濯物を干すのは難しいご家庭や、大家族で洗濯物が多いご家庭ではきっと重宝するでしょう。また日差しに当たると変色しやすいデリケートな洋服や、屋外に干すのに抵抗がある下着類も、浴室干しなら安心です。

浴室暖房乾燥機を付けるデメリット

導入コストがかかる

とても便利な浴室暖房乾燥機ですが、設置するにはある程度の費用が必要です。浴室暖房乾燥機本体の費用に加えて、取り付け工事費用や、既存の換気扇を取り外して処分する費用などがかかります。事前にリフォーム会社に見積もりをとって、いくらくらい費用がかかるかを確認しましょう。

電気代がかかる

やはり電気で稼働する設備なので、使用頻度が多いと電気代も上がってきます。とくに梅雨時期や冬場は使用頻度が増えるかと思いますが、「なるべく晴れている日に干す」「同じ時間帯に家族みんなが入浴する」など、工夫して使えば節約につながるでしょう。

フィルター掃除が必要

換気や乾燥など浴室の空気を取り込む仕組みになっているので、フィルターにゴミやホコリが付着します。きれいな空気を循環させるために、こまめなフィルター掃除が必要です。掃除機で吸ったり拭き取ったりしてフィルターをきれいにしましょう。

後付けすることは可能?

浴室暖房乾燥機の利便性を知ると、既存の浴室に後付けできるのか気になることでしょう。在来工法(タイル張り)とユニットバス、どちらのタイプであっても後付けは可能です。既存の換気扇に不具合が起きたとき、本体だけ交換しますよね。浴室暖房乾燥機も同様です。

しかし、設置可能かどうか断言できないケースもあります。浴室暖房乾燥機は、従来の換気扇よりもサイズが大きいので、開口部のサイズや天井裏の余白スペースによっては希望している製品が設置できない場合も。ボルト数も変わる可能性があり、配線工事が必要になります。分電盤に空きがあれば後付けは可能。浴室暖房乾燥機の後付けはさまざまな条件を満たす必要があるので、リフォーム会社に確認してもらいましょう。”

後付けする際の注意点

天井の開口部のサイズ

現在、天井に浴室暖房乾燥機あるいは換気扇が埋め込まれている場合、開口部のサイズを確認しましょう。製品によってサイズは異なるため、開口部と合う浴室暖房乾燥機を導入する必要があります。

他の換気口の数

浴室暖房乾燥機は単体で換気するタイプと、数台同時に換気するタイプとがあります。主に、洗面台やトイレとつながっていることが多く、換気室数を変更しての取り付けはできません。後付けする際は、既存の換気スタイルに対応する浴室暖房乾燥機を選びましょう。

分電盤の空き

換気扇から浴室暖房乾燥機に交換する場合、分電盤から直接電線を引っ張ってくる必要があります。家のどこかに必ず分電盤は設置されているので、空きを確認しましょう。戸建てなら空きがなくても増設することは可能ですが、マンションはアンペア数の制限がされていて難しい場合もあります。事前に管理組合に聞いておきましょう。

浴室暖房乾燥機の選び方

タイプで選ぶ

浴室暖房乾燥機には「電気で暖めるタイプ」「ガス温水で暖めるタイプ」の2種類があります。初期費用が安く手軽に設置したいなら電気式、パワフルな機能を求めるならガス式が向いているでしょう。

電気式

主流となっているのは電気タイプ。初期費用があまりかからず、どんな浴室でも比較的設置しやすいのがメリット。温風のみで温めるタイプと、遠赤外線ヒーターを併用してパワフルに温めるタイプがあります。

ガス温水式

屋外の熱源機でつくったお湯を循環させることで熱を放出する仕組み。屋外工事も必要なので初期費用が高いものの、スピーディーかつパワフルに温めることができます。”

設置方法で選ぶ

浴室の見た目を左右する設置方法。本体の形状に合わせて設置は異なります。主な設置方法は以下の3パターンです。どのパターンも条件によってはリフォームで後付け可能なので、既存の浴室に合うタイプを選びましょう。

天井に埋め込むタイプ

見た目がすっきりする設置方法。浴室天井の裏に埋め込むだけのスペースがあれば取り付けられます。

天井に取り付けるタイプ

天井の換気扇を外したり、換気扇の上から被せたりして設置するタイプ。埋め込みよりも天井裏にスペースを要さず、大掛かりな工事にならないのがメリットです。

壁に掛けるタイプ

エアコンのように、浴室の壁に取り付けるタイプ。最も施工が簡単で、既存の換気扇の穴や換気口をそのまま利用すれば穴あけ工事が不要。新しく穴をあけることも可能で、タイル壁にも取り付けられます。

機能で選ぶ

製品によっては、暖房や乾燥以外にも便利な機能が搭載されています。

ミスト機能

細かい霧状の水を出す機能。浴室内をミストサウナのような状態にしたり、蒸し暑い夏にはひんやりと冷たいミストで涼んだりできます。

プラズマクラスター機能

換気や乾燥では無くせないウイルスや菌を除去でき、消臭も可能。より清潔で快適な浴室空間にできる機能です。

うたせ湯機能

天井に埋め込んだ浴室暖房換気扇から、球状のしずくが落ちてくる仕組み。適度な刺激を肩や腰に与えられるので、リラックス効果が期待できます。機能を充実させると、入浴の楽しみ方が増えてより快適になるでしょう。

浴室暖房乾燥機にかかる設置費用

浴室暖房乾燥機の設置費用は本体のグレードやリフォーム内容によって変動しますが、最終的に約35〜40万円をみておくといいでしょう。

本体価格

タイプ費用目安
電気タイプの浴室暖房乾燥機約4万2千〜9万8千円
ガスタイプの浴室暖房乾燥機約9万8千〜14万円

設置費用

浴室暖房乾燥機の設置にかかる費用は10万円前後が相場。交換の場合、新しい本体のほうが小さいと開口部の調整が難しいため、天井材を新しくする作業が加わります。後付けであれば開口部をつくったり電気工事をしたりと施工費が追加でかかることも。換気口もない浴室であれば配管工事も伴うので、高額になる傾向にあります。

浴室暖房乾燥機は単体でも導入できますが、浴室全体をリフォームする際に行うと、スムーズに工事が進みます。別々でリフォームするよりも費用を抑えやすいメリットもあるので、浴室の古さが気になる場合は同時に工事をしてみてはいかがでしょうか。”

浴室暖房乾燥機にかかる電気代

浴室暖房乾燥機の導入を検討するにあたって、電気代はどのくらいかかるか気になるところ。100Vと200Vでも相場は異なるので、下記を参考にしてみてください。

【1時間あたりの100Vの場合】

電気代目安(円/時間
暖房約28.1円
乾燥約27.1円
涼風約0.8円
換気約0.5〜0.8円

【1時間あたりの200Vの場合】

電気代目安(円/時間
暖房約47.5円
乾燥約42.9円
涼風約1.2円
換気約0.7〜0.9円

少しでも節約したいとなれば、100Vの浴室暖房乾燥機が選択肢に。しかし浴室の広さが1.25坪以上の場合は、100Vだと効果があまり発揮されないこともあるため、200Vの導入を検討したほうがよいかもしれません。浴室の広さに適した商品を選ぶことで、暖房効率もアップします。”

電気代を節約するポイント

換気・涼風機能と比べると、暖房・乾燥機能は電気代が高くなる傾向にあります。冬場は暖房を使う頻度が高いので、なるべく浴室内の湿気を排出し、暖かい空気を効率よく循環させることを意識しましょう。

入浴前に以下の3つを行うと、無駄な暖房費が省けます。

  • 湯船にお湯をためて、湯気で浴室の温度を高める
  • 入浴前に床や壁に温水シャワーをかける
  • 床がタイルの場合はマットを敷く”

手入れの頻度について

ほとんど毎日、浴室暖房乾燥機を稼働させる場合は、1ヶ月に1回フィルターの掃除をしましょう。

お手入れの際には、必ず運転を停止。動いていないことを確認できたら、フィルターを外してホコリを取り除きましょう。

本体もタオルやスポンジなどで拭き取ってきれいにします。フィルターを外した状態で本体に水やお湯をかけると故障の原因になるので注意しましょう。

リフォームを検討するならスペースアップ

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またリフォームした箇所は、最長10年間の安心保証サービスも受けられます。無料で利用でき、修理回数の制限がないのが大きなメリット。定期的なアフターメンテナンスを行うために、工事後は適切なタイミングでダイレクトメッセージを送らせていただいております。このように、工事を終えても末永いお付き合いをしていくので、依頼先として検討してみてください。

まとめ

暖房や乾燥、換気、涼風など暮らしを豊かにしてくれる機能が搭載されている「浴室暖房乾燥機」。在来工法やユニットバス、どちらの浴室にも後付けは可能です。夏と冬の入浴が快適になるだけではなく、気候や時間帯を気にせずに浴室に洗濯物を干すこともできます。

浴室の温度や湿気の問題で入浴に躊躇していた方は、浴室暖房乾燥機を採用してみてはいかがでしょうか。1日の疲れがより癒やされるはずです。浴室暖房乾燥機の交換や後付けを検討されている方は、ぜひスペースアップにご相談ください。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。