お部屋の印象は「床」の色や質感で決まると言っても過言ではありません。特に床材として使われることの多いフローリングは、その種類もさまざま。いざフローリングを決めるとなると、迷う方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、フローリングに使われている種類と選び方を解説します。ステップごとのポイントも詳しくお伝えするので、フローリング選びの参考にしてください。
住宅に用いられるフローリングの主な種類
フローリングは「単層フローリング」と「複層フローリング」に大きく分かれます。それぞれの種類と特徴を見てみましょう。
単層フローリング(無垢フローリング)
単層フローリングは、一枚の木材を加工して製造したもので、「無垢フローリング」とも呼ばれています。樹種により硬さや足触りが異なり、それぞれ違った風合いを楽しめます。天然の木材は、月日が経つにつれて味がでるのが魅力。その家に馴染んだ色や質感に変わっていくのを楽しめます。
ただし、施工後も伸縮するので隙間や反りが発生しやすいというデメリットがあります。複層フローリングと比べて費用は高めです。
各樹種について
単層フローリングは、使用する樹木の種類によって木目の表情や肌触り、香りなどが異なります。代表的な樹種の名前と特徴を以下にまとめました。
種類 | 特徴 |
---|---|
オーク | 高い耐久性と耐水性があり、無垢材の中では比較的安価なものもあります。落ち着きのある木目がシックな雰囲気を演出します。 |
ヒノキ | 日本を代表する高級木材。くっきりと浮かぶ木目と艶のある表情が特徴です。フローリング以外にも柱や土台などにも使われています。 |
チーク | 高級木材のひとつ。害虫に強く、耐水性があることから家具や建具にも用いられています。 |
パイン | 柔らかい肌触りとぬくもりが心地良く、裸足で過ごすのにぴったりの素材です。存在感のある大きな節が特徴で、年月を重ねるごとに艶や飴色の美しい光沢が増します。 |
ウォルナット | 世界三大銘木のひとつ。黒や濃紫のグラデーションが美しく、味わい深い雰囲気を演出します。 |
複層フローリング(合板フローリング)
複層フローリングとは、合板などの基材に化粧板を張り合わせた素材のことです。一般的に「合板フローリング」と呼ばれているものです。その中でも3種類の合板フローリングがあります。
突き板フローリング
突き板フローリングは、薄くスライスした天然木を合板の表面に貼り付けた板のことです。厚みは約0.3mmで、表面は塗膜でコーティングしてあることがほとんどです。お手頃価格で無垢フローリングの質感を楽しみたい方におすすめです。
ただしスライスした板が薄いので、傷がつくと下地の合板が見えてしまうことがあります。
挽き板フローリング
挽き板フローリングは、スライスではなく、回転する鋸(ノコ)刃で切り出した板のことです。厚みは約2mmと突き板よりも厚みがあります。無垢フローリングに近い質感や肌触りを感じられるでしょう。
下地は合板なので、無垢のように反りや伸縮などもありません。傷やへこみをつけても、下地の合板が見えにくいのがメリットです。
他の合板フローリングに比べると価格は少し高くなります。
シートフローリング
シートフローリングは、木目柄などをプリントしたシートを表面に貼った板のこと。天然木を使用していないため、自然の風合いを楽しむことは難しいですが、きれいな木目を再現してくれます。
肌触りはツルツルしており、汚れやほこりを掃除しやすく、価格が安いのもポイントです。表面強化の度合いも選べるので、車いす対応やペット対応のものなど用途に応じて種類を選べます。
ただし、表面が光を反射しやすいので、木ならではの風合いを求める方にはやや不向きかもしれません。
【4STEP】フローリングの選び方|ステップごとのポイントも紹介!
理想のフローリングを見つけるための、選び方のポイントを4つご紹介します。
STEP1:理想のインテリアをイメージする
まずは理想のインテリアをざっくりとでもイメージしてみましょう。どのような質感のフローリングが良いのか、何色のフローリングが良いのかがわかると、イメージに近いものを厳選できます。
理想のインテリアが具体的にイメージできない場合は、SNSで「#北欧スタイル」「#ナチュラルモダン」「#ホテルライク」など、気になるインテリアスタイルを検索してみましょう。その中から好きなインテリアスタイルをピックアップして施工会社に見せれば、ぴったりのフローリングを提案してもらえます。
STEP2:譲れないこだわりを決める
ライフスタイルを考えたうえで、こだわりや重視したいポイントをピックアップしてみましょう。たとえば、子育て世帯の場合は食べこぼしやお絵描きなどで床が汚れることが多いですよね。育児の合間に掃除をするため、サッと汚れを拭き取れるフローリングがいいでしょう。
ペットと暮らしている場合は、動物に優しいフローリングがおすすめです。適度なクッション性があり、床暖房に対応しているなど、ペットが快適に過ごせるフローリングを選んであげましょう。譲れない条件がはっきりしていると、スムーズに理想のフローリング選びができるようになります。
STEP3:物件の下地・工法を確認する
施工対象の物件の下地が、木材かコンクリートかによっても適切なフローリングは異なります。場合によっては、気に入っていたフローリング材を敷けない可能性もあるので、下地や工法が決まるまでは本格的にフローリング選びをしなくてもOK。下地や工法を確認するまでは、理想とするフローリングをある程度ピックアップして、選択肢を増やしておきましょう。
STEP4:種類・見た目・予算から好きなフローリングを選ぶ
ここまでのステップを踏まえたうえで、種類や見た目、予算から好きなフローリングをピックアップしましょう。しかし、実際に見る床と雑誌やSNSで見る床とでは、印象が異なることがあります。施工してから「イメージと違った」とならないように、実物を確認しておくのが大切です。
メーカーからカタログを取り寄せ、気になるフローリングがあったら実際にショールームへ行って見たり触れたりしましょう。イメージが具体的になり、理想通りのフローリング選びができます。
まとめ
「単層フローリング」と「複層フローリング」のどちらにも違った良さがあります。種類も豊富なので、きっとお家に合うフローリングが見つかるはずです。カタログや写真だけだと質感や肌触りがわからないので、ショールームに見に行くのがおすすめです。理想やこだわり、施工可能かどうかを踏まえたうえで、お家に合うフローリングを見つけてみましょう。
フローリング選びに迷ったら、さまざまな種類を施工してきたスペースアップにお問い合わせください。イメージしている雰囲気や予算をヒアリングしたうえで、お客様に最適なフローリングをご提案させていただきます。
記事の監修者
リフォームプランナー
鈴木淑子
二級建築士 / インテリアコーディネーター
お客様の要望に応えるべく、プロの目線と女性の目線を掛け合わせて、様々なプランをご提案。ご要望を反映した図面や完成予想図を見ながら細かく話し合い重ね、理想を超える住まいをデザイン。間取りや動線、インテリアデザインまで、幅広く理想の暮らしを叶えるためのポイントを、わかりやすくお伝えします。
お客様の要望に応えるべく、プロの目線と女性の目線を掛け合わせて、様々なプランをご提案。ご要望を反映した図面や完成予想図を見ながら細かく話し合い重ね、理想を超える住まいをデザイン。間取りや動線、インテリアデザインまで、幅広く理想の暮らしを叶えるためのポイントを、わかりやすくお伝えします。