リフォームコラム
耐震工事のイロハから始めましょう

耐震工事のイロハから始めましょう

まずはお気軽に
お問い合わせください

店舗で相談
見積依頼・お問合せ

そもそも耐震工事ってなに?

平成7年1月の阪神・淡路大震災では犠牲者の8割以上が建築物の倒壊による窒息死、圧死であり、倒壊した建物の多くは昭和56年以前に建築された木造建築物でした。
その後の、東日本大震災、熊本地震などは 記憶に新しいでしょう。最近いきなりの火山噴火が多発しています。「えー あの山 休火山だったの!!」と、驚きますね。

このように我が国において、大地震はいつどこで発生してもおかしくない状況にあると言えるのです。

窒息死!圧死!建物の下敷きになるんです。こんなことにはなりたくないですよね。
せめて外に逃げ出せる時間があれば…
と言うわけで 建物がいきなり全壊しないように補強する工事を「耐震補強工事」「耐震改修工事」といいます。

では、具体的になにをしたらいいのか? まずは「耐震診断」をしましょう。

耐震診断(たいしんしんだん)

地震に対する既存の建物の強度や安全性、被害の大きさなどを判定すること。診断は、建物の形状、骨組、柱や壁の数・配置、地盤、経年劣化などを考慮して行う。日本では1981年(昭和56)に耐震基準が大きく変わり、現行の耐震基準は、大規模地震(震度6程度)がおきても建物が倒壊せず、中規模地震(震度5程度)では建物の損傷が軽微にとどまるよう求めている。このため耐震診断とは、1981年以前の旧基準で建てられた建物に対し、現行の耐震基準に沿って耐震性を調べることを意味する場合が多い。阪神・淡路大震災で倒壊した建物は、旧基準で建てられたものが多かったため、現行基準を満たしていない特定建築物(多数の人が利用する一定規模以上の建物や地震によって倒壊した場合、道路を閉塞させるおそれのある建築物)は耐震診断を受け、補強改修することが必要とされている-

ちょっと難しいですか?
わかりやすくお伝えしますと、既存の建物の構造的強度を調べ、想定される地震に対する安全性(耐震性)、受ける被害の程度を判断することです。

主に壁量のチェック。各階の柱と壁の断面積とその階が支えている建物重量から計算する最も簡便な方法です。比較的壁の多い建物には適していますが、壁の少ない建物では耐力が過小評価されます。設計図が残っていれば建物の詳細な調査を行わなくても短時間で計算できます。

上部構造評点と判定

上部構造評点判定
1.5以上倒壊しない
1.0以上~1.5未満一応倒壊しない
0.7以上~1.0未満倒壊する可能性がある
0.7未満倒壊する可能性が高い

0.7未満ですと一瞬で倒壊する恐れがあります、せめて1.0以上はほしいところですね。
では、この評点を上げて 安全性を高めるにはどうしたら良いでしょう。

そこで「耐震補強」です。
「耐震診断」の結果によって、耐震性が十分でないという結果が出た場合、建物を補強して十分な耐震性を持つようにする必要があります。これを「耐震補強」といいます。

耐震補強の種類

A.地盤補強

軟弱地盤の場合、地盤改良工事となりますが、既存住宅の場合莫大なコストとなり、現実的ではありません。

B.基礎補強

基礎にひび割れがある場合に打ち増し工事をしたり、無筋コンクリートを有筋にする工事を行います。

C.屋根の軽量化

水を含んで重くなっている日本瓦を、軽量瓦やスレートなどに葺き替えます。

D.壁を耐震性の高い壁や筋交いに変更する。(耐力壁を作る)

図1-Aのような壁に図1-Bのように筋交いを入れて補強したり、図1-Cのように合板を 貼り付けて 剛性を高める補強をします。

E.筋交いの交点に金物を設置する。

図2-A~Cのように柱や梁、筋交いの接合部に補強用の金物を追加します。

F.壁では補強しきれない場合は、一部開口部を塞いで新しい耐震壁を増設する。

図3-Aのような窓などの開口部に壁を追加して、補強します。追加する壁は、 図1-A~Cの様な補強方法とします。

※上記図版は「戸建住宅耐震改修工法・事例」((財)日本建築防災協会発行)を参考に作成。

記事の監修者

設計士

西村佳晃

一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。