自分たちの生活スタイルに合った間取りや設備を取り付けられるリノベーション。近年中古マンションのリノベーションが注目を集めています。
そこで今回は、中古マンションのリノベーションが人気の理由やメリット・デメリット、リノベーション前提の物件選びのポイントを、実際のリノベーション事例と合わせてお伝えします。
中古マンションのリノベーションが人気の理由は?
中古マンションのリノベーションが人気である理由としてまず挙げられるのが、費用の安さです。新築のように自由な設計ができるにもかかわらず、リノベーション費用を含めても新築マンションよりコストをおさえることができます。
人気エリアでは新築物件を見つけるのがそもそも難しいこともあるでしょう。中古マンションなら人気エリア内で立地のよい物件を見つけられる可能性が高まります。
ほかには、自分や家族の生活スタイルに合わせた間取りにできたり、希望の設備を設置できたりするため暮らしの質が高まるのも人気の理由として考えられます。
後悔しない!リフォーム・リノベーション前提で購入する中古マンション購入のポイント10選
リフォームやリノベーションをする前提で中古マンションを購入する際にはいくつかポイントがあります。築年数や立地など考えるべき10個のポイントをお伝えしますので、参考にしてください。
ポイント1 築年数
中古マンションの場合、築古になるほど価格は下がるのが一般的です。ただ、築年数が20年経過すると、価格の下がり方が緩やかになる傾向があります。
また、築年数が古いほど立地が優れている傾向にあります。立地のよい土地は早くに埋まってしまっているからです。価格の面でも立地の面でも、築20年くらいの建物はお買い得といえるでしょう。
ポイント2 耐震性
中古マンションを購入する際には、耐震性も気になるポイントです。耐震基準は1981年6月の建築基準法で強化されました。法改正前に建築確認されている建物は旧耐震基準で建てられている可能性があります。
一概に旧耐震基準だから弱い建物というわけではありませんが、耐震性能は注意してみるべきポイントだといえるでしょう。
ポイント3 管理費・修繕積立金
毎月の管理費や修繕積立金の支払金額が十分かも確認したいポイントです。マンションの大規模修繕は12年に1度おこなうことが推奨されています。
マンションの戸数によっても違いますが、1回の修繕につき一戸あたり100万円から120万円ほどかかることから、月1万円程度が適正な金額といえるでしょう。ただし、入居後に管理費や修繕積立金の金額が上がるケースもありますので、規約を確認しておく必要があります。
ポイント4 長期修繕計画
大規模修繕についての計画もチェックしておきましょう。多くのマンションで十数年に1度は大規模修繕が実施されています。また、築40年ほど経過すると建て替えをするマンションもあります。
せっかく購入してリノベーションした建物が数年で建て替えになってしまうともったいないので、建て替えの議論等が出ていないかはしっかり確認してください。
ポイント5 共用部分の管理状況
共有部分の管理状況は、もれなくチェックすべきポイントです。具体的には、
・エントランス
・集合ポスト
・駐輪場および駐車場
・ごみ置き場
などがきれいに整理整頓され、清掃が行き届いているかどうかを見ましょう。
また、マンションの管理状況を確認するために議事録を見せてもらうのもおすすめです。
ポイント6 立地
マンションの市場価値は立地で大きく変わってきます。将来的に住み替えが必要になった場合に「売れやすい物件」を選ぶことも大切です。
また、住み替えではなくても、転勤や転校で賃貸に出すケースも考えられます。都心部へのアクセスがよく、駅から近いマンションは人気がありますので、立地面もしっかり考慮しましょう。
ポイント7 エリアの価格相場
マンションの価格は、立地と建物の築年数に影響されます。同じエリアの同じくらいの築年数のマンションがいくらで販売されているか、近隣のマンション情報を確認するとエリアの価格相場がわかり、適正な価格かどうか判断できますよ。
ポイント8 構造上の工事の制限
中古マンションは好きなようにリノベーションできるとはいえ、構造上できない工事もあります。例えば、共用配水管の接続位置は変えられないので水回りの位置変更には制約がでてきますし、構造上撤去できない間仕切りもあります。
マンションを購入する前に自分の希望する工事ができるのかどうか確認しておきましょう。
ポイント9 管理規約による工事の制限
管理規約で工事制限が定められていることもあります。床材は一定の遮音ができる素材にするよう決められているマンションが多かったり、窓ガラスの取り換えはできてもサッシ自体の変更はできなかったりする場合もありますので、自分たちの希望のリフォームが叶えられるか事前に確認することが大切です。
ポイント10 管理規約による禁止事項
マンションごとに違う管理規約による禁止事項も購入前に確認しておきましょう。例えば、ペットの飼育はOKか、楽器の演奏は何時まで可能かなどです。禁止事項を知らずに入居して近隣住民とトラブルになるケースもありますので、注意が必要なポイントといえます。
中古マンションのリノベーションのメリット
間取りや内装を自由に変えられる
日本の建売住宅やマンションは間取りや内装が似通ったものが多く、あまり個性は感じられません。リノベーションなら、間取りや内装も自分好みに自由に変えられるため、お気に入りに囲まれて生活できますよ。
新築より物件の選択肢が豊富
希望するエリアで理想の新築住宅に出会えることはかなり少ないでしょう。リノベーションを前提にすることで、希望のエリアで理想の物件に出会える可能性が増えます。
戸建より売却や賃貸に出しやすい
住み替えで売却に出す場合や賃貸に出す場合、戸建てよりマンションの方が買い手や借り手が見つかりやすい点で有利であるといえるでしょう。
中古マンションのリノベーションのデメリット
構造や管理規約上の制限がある
構造上取り除けない部分があったり、管理規約上できない工事があったりするケースもあります。事前に自分や家族が希望する工事ができるのかどうか確認しておくとよいでしょう。
入居までに時間がかかる
リノベーションは一般的に打ち合わせや設計に時間がかかります。フルリノベーションだと半年ほどかかるケースが多いです。入居時期に譲れない条件がある場合には、早めにスケジュールの相談をされることをおすすめします。
断熱性や耐震性に注意が必要
中古マンションは断熱性や耐震性に優れていない物件もあります。購入を検討するときは断熱性や耐震性についても確認することが大切です。
スペースアップでの中古マンションでのリノベーション事例
ここで、スペースアップで取り扱った中古マンションのリノベーション事例をご紹介します。
事例1
築18年の中古マンション最上階をリノベーションされた事例。ホテルのような高い天井を活かした開放的でラグジュアリーな空間が特徴的です。全体的にモダンでシックな落ち着いた内装になっています。
機能面もこだわり、暮らす人に合わせた間取りに変更したり、外気温の影響を受けにくいLow-eガラスの内窓設置で夏の暑さ・冬の寒さ対策を万全にしました。
こちらの住まいのおすすめポイントは、小上がりになった寝室です。斜めの垂れ壁がアクセントになったリラックスできる特別な寝室は、リビングからのアクセスもばっちりです。
事例2
立地が気に入り購入した築21年の中古マンションを、「もっとおうちにいたくなる」おうちをコンセプトに、好きなインテリアを思い切り楽しめる空間にリノベーションした事例。アイアンとレンガがクールな印象のブルックリンスタイルは、映画やドラマにでてきそうなおしゃれ感が特徴的です。
ネックに感じる斜めの壁を活かした内装や全部屋が活用できる間取りなど随所に工夫が施された空間になりました。マンションだと制限のある水回りも配置を考慮して使いやすいキッチンに変更し、生活しやすいおうちに仕上がっています。
事例3
築43年のマンションをご両親から引き継ぎ、リノベーションした事例。子どもにとって安全で家族みんなが楽しく暮らせるおうちであることはもちろんのこと、趣味の音楽も楽しめる住まいにしました。
こちらの住まいで特徴的なのは楽器が弾ける防音室。音を通しにくい建材と遮音性に優れたドアを使用し、近隣への音漏れを気にせず楽器が楽しめる空間に仕上げました。
また、回遊性抜群のアイランドキッチンは家族の集まる憩いの場。家族の時間も個人の時間も大切にした素敵な住まいに変化を遂げました。
中古マンションの物件チェック以外にも、予算と時期も要確認!
中古マンションを購入する際は物件のチェック以外にも確認すべきポイントがあります。初期費用やランニングコストを含めた予算や入居時期です。詳しくみていきましょう。
中古マンションの購入費用
中古マンション購入時には手付金が必要になります。手付金はマンションの購入代金の一部として先に支払うものです。多くの場合、物件購入代金の10%程度とされています。売買契約時にはほかにも印紙代や仲介手数料の半金が必要です。
物件引き渡しの際には、
・購入代金の残金
・仲介手数料
・住宅ローン関連費用
・管理費等の清算金
・登記費用
・司法書士への報酬
などの諸費用がかかってきます。
また、購入後にも不動産取得税や固定資産税などの税金や管理費なども支払う必要があることを忘れないようにしてください。
リノベーションの費用
理想的な住まいに変えるためのリノベーション。どのくらい費用が必要なのか気になりますよね。
フルリノベーションの価格帯は広く、中古マンションの場合では250万円から900万円程度といわれます。1㎡あたり8~22万円程といえるでしょう。例えば50㎡を施工しようとするなら、400~1,100万円というかなり幅をもった予算が必要となります。
多くの場合1㎡あたり15万円ほどで収まるともいわれていますが、予算には余裕をもつようにしましょう。
中古マンションのリノベーションの期間の過ごし方
マンションのリノベーションをする際に注意すべきなのが、設計や工事の期間。なぜなら、フルリノベーションする場合と一部リフォームする場合ではかなり期間が異なってくるからです。
現在住んでいる住まいが賃貸なら更新時期を確認する必要がありますし、場合によっては仮住まいが必要になるでしょう。目安となる期間については、中古マンションのフルリノベーションの場合6~7か月程度です。
まとめ
理想の住まいを低予算でつくることができる、中古マンションのリノベーション。さまざまな要望をバランスよく叶えるためには、リフォーム会社や工務店といっしょに物件を選ぶことが大切です。
スペースアップでは、物件選びのアドバイスを積極的にさせていただいております。また、物件購入費用とリノベーション費用をご予算に合わせてトータルでご提案することができます。
大阪・兵庫・奈良・滋賀・神奈川・東京で中古マンションリノベーションをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
記事の監修者
リフォームアドバイザー
藤本塁
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。