リフォームコラム

外壁塗装の正しい施工工程!美しく長持ちさせるポイント

築10年ほどたつと、外壁の塗膜が劣化してくるため、塗り替えが必要となります。外壁塗装はただ塗ればいいというものではなく、お化粧であれば洗顔や下地にあたる下準備の工程がとても大切です。

今回は外壁塗装を美しく長持ちするよう仕上げるための、正しい施工手順について解説します。これから見積もりをとられる方は、工程が省かれていないか必ずチェックしてくださいね。

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外壁塗装の考え方は「お化粧」に似ている!

外壁塗装の施工工程は、実は女性が行う「お化粧」によく似ています。まずは「外壁=お肌」と考えて、外壁塗装の手順をざっくりと見ていきましょう。

お化粧外壁塗装

洗顔
石鹸で汚れを浮かせて、きれいな水でお顔の汚れをしっかりと洗い流す。

バイオ高圧洗浄
コケや藻、古い塗膜などの汚れをバイオ洗浄剤で分解し、高圧の水で洗い流す。

保湿
化粧水で皮膚に潤いを与える。肌の調子を整え、次に塗る化粧品の密着を高める。

下地処理
古い塗装をやすりで削ったり、ひび割れをパテで埋めたりして、外壁の状態を整える。

ベースメイク保湿クリーム:肌の表面をなめらかに。
化粧下地:お肌の色味を整える。
ファンデーション:きれいに仕上げる。

塗装
古い塗装をやすりで削ったり、ひび割れをパテで埋めたりして、外壁の状態を整える。

ポイントメイク
口紅やアイメイクで、印象を変える。

付帯部の塗装
外壁・屋根以外の、雨樋や軒天、破風などの付帯部も塗る。

お化粧では、ベースとなるお肌の汚れをしっかり落としたあと、しっかりと保湿して下地を整えてからファンデーションで仕上げていくことが大切です。いくら質の良いファンデーションを使っても、ベースが整っていないときれいに仕上げることはできませんよね。

外壁塗装も同じように、高圧洗浄や下地補修などがとても重要。ベースとなる外壁をきれいに調整することで、リフォーム後の美しさが長持ちします。

外壁塗装の正しい施工工程と注意点

では外壁塗装の大体の流れがわかったところで、施工手順を一つずつ詳しく見ていきましょう。

1.仮設工事

まずは、高所作業をするための足場を組みます。安全確保はもちろんですが、作業員が作業しやすくなるため、仕上がりの美しさにもつながります。

玄関ドアや室外機など、塗装しない部分まで塗料がついてしまわないように、シートやビニールでしっかりと養生を。隣家へ塗料が飛ぶことのないよう、メッシュネットなどで全体を覆います。

注意点

ローラー塗装だと塗料の飛び散りは少ないですが、それでも全く飛び散らないわけではありません。窓や植木、車、隣家などに飛んでしまわないよう、しっかり配慮することが大切です。

2.高圧洗浄

次にバイオ高圧洗浄で、汚れやカビ、コケなどをきれいに洗い流します。意外とここが大切な作業の1つ。しっかりきれいにしておかないと、すぐに塗装が剥がれてきてしまうなど、長持ちしない原因になってしまいます。

注意点

外壁の汚れはカビやコケなど菌によるものも多く、通常の水道水だけの高圧洗浄だと落ちきれないことも。そのためスペースアップでは、「バイオ高圧洗浄」を行っています。

特殊な洗浄剤で、カビ・コケ・藻などを根っこまで分解してきれいにするので、再発生しにくく、塗料もしっかりと密着しますよ。

3.下地処理

ひび割れている場所があればシリコンなどで埋めて、欠けた部分を補修。古い塗装やサビなどは、サンドペーパーや工具で削り取り、サビ止めを塗って下地を調整します。ここで塗装面をきれいに整えなければ、またすぐにひび割れなどが発生してしまいます。

注意点

この工程は、品質に大きく影響するにも関わらず、非常に手抜き工事が起こりやすい作業。なぜなら、塗装が仕上がってからは、下地処理がしっかり行われたか確認するのが難しいからです。

スペースアップでは、ていねいな下地処理を実施しております。

4.シーリング

シーリングとは、窓の周りや外壁材の目地などに充填されている、ゴムのような部分です。コーキングとも呼ばれます。5~10年で劣化してくるので、外壁を塗り替える前に、シーリングの打ち直しも行います。

注意点

シーリングが割れたり痩せたりしたままだと、そこから雨水が侵入してしまうことに。特に窓のサッシ周りのシーリングは重要で、しっかり施工しておかないとその周りから状態が悪くなってきます。

5.塗装

外壁塗装は「下塗り、中塗り、仕上げ塗り」と合計3回塗るのが基本です。1日で3回塗るのではなく、1回塗るごとにしっかりと乾かすことが大切なので、最低でも3日かかります。

①下塗り
下塗り用の塗料を塗り、外壁と塗料の密着を高め、発色をよくします。

②中塗り
仕上げ塗りの塗料と同じものを塗り、厚みを出します。なめらかな下地をつくり、ムラをなくしたり耐久性を上げたりする効果があります。

③仕上げ塗り
中塗りがしっかり乾いたら、同じ塗料を重ねて塗ります。刷毛やローラーのあとが残らないよう、ていねいに仕上げていきます。

6.付帯部の塗装

雨樋(雨水を流す部分)や軒天(屋根の裏側)など、付帯部にも塗装をしていきます。ここの色で全体のイメージががらっと変わることもあります。

すべての塗装が終わったら養生をはがし、ていねいに清掃します。足場を解体して、完了検査をおこなったら工事終了です。

まとめ

外壁塗装は塗料を塗る工程だけでなく、その前のベースをつくる作業がとても大切です。洗浄や下地補修などが不十分だと、数年で塗装が剥げてくることもあります。

いくら費用が安い業者でも、手抜き作業されてしまうと、早い段階での再塗装が必要になってしまいます。トータルで損してしまいかねないので、ぜひていねいな作業をしている業者を選んでくださいね。

記事の監修者

設計士

西村佳晃

一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。