リフォームコラム

リノベーションしやすい中古一戸建て住宅とは?選び方や費用相場・事例も紹介!

中古一戸建て住宅のリノベーションが注目を集めています。物件選びの選択肢が増え、生活スタイルに合った間取りや好みの内装にできるのは魅力的ですよね。

そこで今回は、中古の一戸建て住宅をリノベーションする魅力や中古住宅の選び方、リノベーションするメリットデメリットについてお伝えします。中古一戸建て住宅のリノベーション事例も合わせてご紹介しますので参考にしてください。

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中古の一戸建て住宅を購入してリノベーションする魅力は?

中古の一戸建て住宅をリノベーションする魅力はどのようなものなのでしょうか。魅力を3点お伝えします。

魅力1. 建売住宅よりも購入費用が安い

建売住宅よりも購入費用が安いのは魅力のひとつです。国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」によりますと、建売住宅の全国平均価格は3,826万円であるのに対し、中古一戸建て住宅の全国平均価格は2,894万円でした。その差は1,000万円ほど。

1,000万円をかけてリノベーションしたとして、自分好みの内装や設備にできることから建売住宅を購入したときより満足度が高いと考えられます。

魅力2. リノベーションしやすい

既存のマンションや建売住宅は、似通った内装になっていることが多く、あまり個性は感じられません。内装や設備にこだわって自分好みの空間で生活したい人には、リノベーションしやすい中古一戸建てはとてもおすすめです。マンションのように規約で思ったような工事ができないということも少ないでしょう。

魅力3. 市場において流通量が多い

人気のエリアで希望どおりの新築住宅を見つけるのは難しい場合があります。しかしながら、リノベーションを前提に中古物件を視野に入れれば、自分が希望するエリアで理想の条件のそろった物件に出合う可能性も高まります。中古物件は新築物件に比べて流通量が多いためです。

中古の一戸建て住宅の注意点

注意点①

まず間取り変更をしたい場合には、住宅の工法・構造をチェックすることが重要です。住宅の構造によっては好みの間取りにできない場合もあります。

注意点②

住宅の築年数によって住宅ローン減税が利用できない場合があります。木造住宅であれば築20年以内、鉄筋コンクリートなどの耐火物件であれば築25年以内という制限があるためです。

ただし、一定の条件がそろえば築年数が経っていても住宅ローン減税を受けられる場合もありますので、専門家に相談することをおすすめします。

注意点③

表面からだと構造の見えない部分は確認ができません。表面上は何も問題なくても、スケルトン状態にしてみたら問題が見つかり予想外の工事にコストがかかってしまうケースも考えられます。

専門家に確認してもらうと安心ですね。

失敗しない!リノベーションに適した中古一戸建て住宅の選び方

リノベーションに適した中古一戸建てというのはどういうものなのでしょうか。選び方のポイントをお伝えします。

2000年以降の物件は工事費が割安

地震大国の日本で安心して暮らすためには、耐震性能がとても大切です。2000年6月以降に建築確認申請された家は、現行の建築基準法の耐震基準で建てられています。しかし、それ以前の建築基準法の耐震基準で建てられた家は耐震性が低い家が多く、耐震性が不足しているケースが多数です。耐震補強の工事が必要になりますが、その工事費用は約95万円~190万円かかるといわれています。

2000年6月以降に建てられた家なら耐震補強の工事が不要になるケースが多いため、工事費が割安ですむ可能性が高いでしょう。

築20年以上は売買価格が安い

日本の中古住宅は築20~30年で不動産としての評価がなくなります。そうした築古物件ですと、ほぼ土地代のみで購入できることになりますので、その分リノベーションにお金を掛けることができます。

解体する必要のない、状態の良い家を見極められれば、耐震補強工事や劣化部分の補修などの工事をすることで長く住める住まいを格安で手に入れられますよ。

住宅ローンが組みにくい中古物件に注意

中古物件の場合、住宅ローンを組めないもしくは融資限度額が低く設定されることがあります。理由は「担保」です。新築住宅の場合は、購入費用と評価額にあまり差がありませんが、中古物件の場合は資産価値が下がっているケースが多く購入額との差が開くことも多々あることが影響しています。

中古住宅の場合、とくに金融機関から慎重に審査されることになります。住宅ローンで購入費用やリノベーション費用を支払いたいと考えている方は少し注意が必要でしょう。

以下のような物件は、とくに住宅ローンが組みにくい可能性があります。
・昭和56年以前に建てられた建物
・「要セットバック」の物件
・「建ぺい率」と「容積率」をオーバーしている物件

物件を選ぶ際は、住宅に詳しい人と一緒に探すことをおすすめします。

現地を見に行って物件を探そう

中古の一戸建てを探すとき、多くの人はインターネットで情報を探したり不動産業者の情報を収集したりしますよね。今は現地に行かなくても得られる情報はたくさんありますが、実際に現地に行くこともとても大切なのです。

旗竿地や変形地などの土地はあまり人気がありません。その分、販売価格も抑えた土地が多いのが一般的です。特殊な形の土地は、地図や間取図といった資料を見るだけではなく現地を見てみるとわかることもあります。例えば、緑豊かな場所が近くにあったり、お買い得なスーパーがあったりといったことです。これらは実際に現地に行ってみないとわからない情報です。

購入前に必ず専門家のチェックを

ここまでリノベーションに適した中古一戸建て物件の選び方をお伝えしてきました。しかしながら、いくら選び方が分かったとしても実際の中古一戸建て物件の状態はさまざま。自分たちで何から何までチェックするとなると、やはり難しいものです。

購入する前には、希望するエリアで中古戸建てのリノベーション実績が多いリフォーム会社に必ずチェックしてもらうようにしましょう。

中古の一戸建て住宅を購入してリノベーションするメリット

では、中古の一戸建てをリノベーション(リフォーム)することで、どのようなメリットを得ることができるのでしょうか。3つご紹介します。

好みの間取りや内装が叶う

中古の一戸建てリノベーションは、自分や家族の生活スタイルに合わせた住まいをつくれます。 例えば、「お風呂を広くする分部屋数を減らす」や「1階フロア中央に家族全員分をまとめたウォークインクローゼットをつくる」といった好みの間取りにできます。

また、内装も「ナチュラルインテリアが好きだから、無垢材を多く使用したい」といった具合に希望を叶えることができるでしょう。建売住宅ではここまで自分や家族のこだわりを詰め込んだ住まいはつくれません。

物件の選択肢が増える

人気のエリアや駅から近い便利な場所で住まいを探そうとしても、新築物件はそもそも流通量が少ないのが現状です。よって、完全に理想の住宅を見つけるのは難しいといえるでしょう。

一方中古の一戸建て住宅は、近年流通の活性化が促進されています。国土交通省「既存住宅市場の活性化について」によりますと、「インスペクション制度の実施・普及」や「既存建物取引時の情報提供充実」などによって買い手と売り手の不安を解消しようという動きが見られました。

物件の選択肢が多く、インスペクション制度など安心な制度がある中古物件は、どうしても譲れないこだわりの条件がある人にもぴったりですね。

新築よりコストが安い

新築の戸建てと中古の戸建てを取得する場合、大きく違ってくるのは物件の価格。建物の価格は築古になるほど下がります。先に書いたように、20年ほど経てば建物価値がゼロに等しい状態になり、実質的に土地のみの価格で購入できることも少なくありません。

したがって、希望するエリアにある同じ広さの新築住宅と中古住宅の価格は、かなり差が出てくるのです。中古物件のほうがコストを抑えられます。

中古の一戸建て住宅を購入してリノベーションするデメリット

一方、中古の戸建て住宅を購入してリノベーション(リフォーム)する場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。3点お伝えします。

打ち合わせや工事に時間がかかる

中古の一戸建て住宅を購入してリフォームして住む場合、

・リノベーション会社と打ち合わせ
・工事契約
・設計
・リノベーション工事

といったようにさまざまなプロセスが必要になります。多くの場合、設計期間と工事期間を合わせて4~5か月かかるといわれています。購入してもすぐに住むことができないのは、一つのデメリットになるでしょう。

以前の住まいを引き払う時期によっては、いったん仮住まいへ転居しなければならない場合もあります。お住まいが賃貸住宅の場合は、契約更新の時期を確認する必要もあるでしょう。

築古物件は断熱性や耐震性に不安も

築年数の古い物件を購入される場合は、内装や設備を美しくするのではなく、断熱性・耐震性などの機能面も気になるところです。

1981年の建築基準法が改正されましたが、それより前に建てられた戸建て物件は、現在の耐震基準よりも基準が甘い旧耐震基準で建てられていることになります。そのため、必要に応じた適切な耐震補強を行う必要があるでしょう。

また、中古住宅は新築住宅と比較して断熱性が低い住宅が多いのが事実です。こちらも断熱性を高める工事が必要となる可能性があるでしょう。

物件の状態によっては費用が高くなる

中古の一戸建て住宅は、物件の状態によってリノベーション費用が予想外に高くなることもあります。それは、柱、梁といった住宅の重要な部分に劣化が生じているケースがあるからです。とくに木造住宅の場合は、シロアリ被害にあっている場合も少なくありません。

このように想定外の費用がかさむ状況にならないためにも、勢いだけで中古物件を購入するのはNG!リフォーム会社に物件の状態を見てもらってから購入するのがおすすめです。

中古の戸建てリフォーム(リノベーション)をする際のポイント

中古の戸建てを購入して、実際にリフォーム(リノベーション)を行う上で、押さえておきたいポイントは次の4点です。

新耐震基準で建築されているかは要確認

先にお伝えしましたが、1981年以前に建てられた建物は、旧耐震基準に基づき設計されています。新耐震基準の建物は震度6〜7程度の大地震でも倒壊しないつくりになっていますが、旧耐震基準だと震度5強くらいまでしか想定されていません。命を守るためにも耐震基準はしっかりチェックしましょう。

仮に旧耐震基準で建てられた建物を耐震補強すると100万円以上かかることもありますので、できるだけ新耐震基準で建てられた物件を購入するといいでしょう。

家の基礎や土台部分がしっかりしているかを確認

家の基礎や土台部分がしっかりしているかも確認すべきポイントです。床や壁、屋根を支える基礎に問題があれば家の耐久性に不安が生じますよね。

もし基礎や土台にひび割れや水染みなどの問題点がある場合、想定していたより大掛かりなリフォームになってしまう可能性がありますし、最悪のケースでは解体しなければならないことも。 このように残念な事態とならないよう、購入前に確認を怠らないようにしましょう。

津波や洪水などに対して安全な場所にあるかを確認

建物の耐震性や基礎・土台部分の確認はもちろん大切ですが、建物が建っている土地自体の安全性も重要です。国や自治体が公開しているハザードマップを活用して、購入したい建物の場所が安全かどうかチェックしておきましょう。

ハザードマップとは洪水や土砂災害、津波など自然災害のリスクを地図上に示したものです。仮に河川が氾濫したときにどのエリアまで水に浸かるのか、土砂災害が起きたときにどこまで被害を受ける可能性があるのかなどが予測されています。避難経路や避難場所なども表示されているのでうまく活用しましょう。

やりたいリノベーション工事ができるかを確認

自分たちが行いたいリノベーション工事はできるのか事前に確認しておくことも大切です。リフォームやリノベーションの内容によっては、建物の構造上できない場合があります。

特に増築を考える場合、建物の建ぺい率や容積率の関係で工事ができないケースもあります。計画段階で、リノベーション会社や不動産会社に、増築をして問題ない物件なのか確認してもらうようにしましょう。

スペースアップでの中古一戸建てのリノベーション事例

それではここで、スペースアップでの一戸建てリノベーション事例をご紹介いたします。

事例1

築40年の物件をリフォーム前提で購入。老朽化が進んでいたため、屋根や外壁、耐震工事など全面的なリノベーション工事を実施した事例です。無垢材をつかったぬくもりのある空間を提案し、みんなが集まる安全で明るいおうちになりました。

元々広かったリビングをより広くし、木目が暖かさを感じさせるオープンキッチンはお料理をするのが楽しくなりそうな使い勝手の良さを実現。洗面からキッチン、パントリーの動線をなめらかにし、家事をしやすい住まいを実現しています。
高い天井を活かした吹き抜けの玄関で目を引くのはシューズクローク。大容量で使い勝手が抜群です。

事例2

2世帯で住めるようフロアによってなかった水回り設備を設置し、日常生活がスムーズになるようリノベーションした事例。1階はそのままに、2、3階をライフスタイルに合わせて快適に生活できる空間をご提案しました。

住宅の構造上キッチンの場所を大きく変更できないことがわかり、耐震性に気を付けながら壁を取り払ったリビングダイニングとつながるオープンキッチンに。ご主人が好きなお風呂は3階に設置し、脱衣・洗濯・収納の家事が一か所で完結できる生活動線にこだわった素敵なおうちになりました。

事例3

長年住まれている昔ながらの日本家屋を、今後の生活も考えてバリアフリーにしたいとリフォームを検討されました。家の中は大きな段差や水回りが寒いなど不便な点があり、よく使う部分を中心に住まいの一部をリフォームすることに。

お友達とのおしゃべりを楽しまれる玄関からは光と風を取り込み、明るく快適になった玄関を持つ日本家屋の魅力たっぷりの素敵なおうちになりました。光が入り込むダイニングも明るく気持ちよい空間に生まれ変わりました。

中古住宅のリノベーションの費用相場

一戸建てのリノベーション工事にかかる価格帯には非常に幅があります。2LDK~3LDKほどの住まいであれば、600~1,000万円程度かかることが多いです。

ただし、工事の規模や内容によっては1,500~3,000万円程度かかるケースもありますので、事前にどの程度の予算が必要なのかしっかり見積もりをしてもらいましょう。

よく行われるリノベーションの費用相場は次のとおりです。

壁紙の交換1㎡あたり1,000円前後
床材の張り替え1帖あたり1~7万円
間仕切り壁の撤去7~23万円/箇所
バリアフリー工事手すりの設置 3~10万円/箇所
段差の解消1〜20万円/箇所

まとめ

中古の一戸建てリノベーションの魅力やメリットデメリット、物件を選ぶときのポイントについてお伝えしました。リノベーション施工事例でもおわかりいただけるように、築古の家でも適切にリノベーションすることで快適な住まいを実現することができます。既存の建物をリノベーションして長く大切にすることは地球環境にも優しく、今後より注目を集める住まいになるのではないでしょうか。

スペースアップでは建物の状態、リノベーション(リフォーム)のしやすさなど、プロの視点から物件選びのアドバイスをさせていただけますのでぜひご相談ください。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。