洗面台リフォームを検討するにあたり、やはり一番気になるのは費用ではないでしょうか。洗面台リフォームはお風呂やキッチンなどの水まわりよりもリーズナブルに実施できますが、製品のグレードによって費用は大きく変動します。予算との兼ね合いや使い勝手に着目しながら、暮らしにフィットする洗面台を見つけましょう。
今回は、洗面台リフォームにかかる費用相場を詳しく解説します。価格帯別のリフォーム事例や費用を抑えるポイントについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
洗面台リフォームの前に知っておくべき基礎知識
そもそも洗面台とは、陶器や人工大理石でできた流し台(ボウル)に蛇口(水栓)がついた手洗いや洗顔を行う設備のことです。
洗面台リフォームを検討しているなら、まずいくつかの基礎知識を身につけることをおすすめします。
まずは、洗面台の種類と交換・リフォームのタイミングについて見ていきましょう。
洗面台の種類
洗面台には「洗面台」と「洗面化粧台」の2つ種類があります。それぞれの特徴を知り、リフォーム後の洗面台は何がいいのかイメージしてみてください。
洗面台の種類
埋め込みタイプ ・カウンターに洗面ボウルが埋め込まれている ・スタイリッシュな印象になる |
置き型タイプ ・カウンターの上に洗面ボウルを置く ・好きな形状の洗面ボウルを選べる |
壁つけタイプ ・壁に直接洗面ボウルを取り付ける ・トイレに設置されていることが多い |
洗面台は、洗面ボウルと水栓金具を組み合わせただけのシンプルな設備です。収納スペースはあまりなく、手洗いや歯磨きなどを行うだけに使われます。
洗面化粧台の種類
ユニットタイプ ・高さや幅のサイズが決まっている ・さまざまなパーツが一体型に |
システムタイプ ・さまざまなパーツを自由にカスタマイズできる ・高さや幅のサイズをミリ単位で調整できる |
近年の住宅においては洗面化粧台の設置が主流です。化粧洗面台とひとくちに言ってもさまざまな種類があります。グレードによっても本体価格は大きく異なるため、使い勝手や予算などで選びましょう。
洗面台の交換・リフォーム目安
洗面台の交換目安は約15〜20年です。寿命を超えると、水栓金具のパッキンが劣化したり排水管が不具合を起こしたりする可能性があります。目に見える劣化がない場合でも、部品の劣化は進んでいるでしょう。「きれいだから大丈夫」と放置していると、突然水漏れするかもしれません。寿命を迎えていなくても、洗面ボウルにひびが入ったり水栓から水漏れしている場合は、早めのリフォームがおすすめです。
洗面台リフォームの費用相場と内訳
洗面台リフォームにかかる費用は、20万円未満が相場です。費用は、洗面化粧台の本体価格とオプション価格、工事費の3つで決まります。一つの目安として、それぞれの費用相場をご覧ください。
洗面化粧台の本体価格
洗面台の本体価格は、メーカーやグレードによって異なります。具体的な本体価格はカタログに記載されているので、確認してみるとよいでしょう。
また、リフォーム会社がメーカー希望小売価格よりも4〜7割ほど割引してくれるケースも少なくありません。以下では、メーカー希望小売価格を記載しています。
洗面台のグレード | 本体価格の費用 | 主な商品 |
---|---|---|
シンプルタイプ | 約6.5〜10万円 | ・LIXIL:オフト ・TOTO:Vシリーズ |
スタンダードタイプ | 約10〜20万円 | ・LIXIL:ピアラ ・TOTO:サクア |
ミドルグレードタイプ | 約20〜60万円 | ・LIXIL:エルシィ ・パナソニック:シーライン |
ハイグレードタイプ | 約50〜100万円 | ・LIXIL:ルミナスシリーズ ・TOTO:エスクアLS ・クリナップ:ティアリス |
オプション価格
洗面台をただ交換するだけではなく、より使い勝手が良くなるように脱衣所全体をリフォームすることも検討してみてはいかがでしょうか。別途費用はかかりますが、内装や設備がきれいになるとすっきりとした空間になります。特に内装は洗面台リフォームと同時にすることで、洗面台の背面や床も張り替えられるのでおすすめです。
オプションの種類 | 費用 |
---|---|
吊り棚 | 約8万円〜 |
縦置きの収納棚 | 約10万円〜 |
曇り止めコーティング | 約3千円 |
可動棚の設置 | 約5万円〜 |
脱衣所の壁紙・ クッションフロア張り替え | 約5〜6万円 |
室内干しの設置 | 約2〜4万円 |
照明交換 | 約1〜3万円 |
工事費
洗面リフォームにかかる工事費は約6万円〜です。基本的にどのグレードの洗面台を選んでも、工事費はあまり変わりません。ただし、洗面台が大きくて工期が延びたり、エレベーターなしのマンションで搬入に手間がかかったりする場合は、工事費用が高くなる可能性があります。
工事費には、以下のような項目が含まれていることが一般的です。
- 養生
- 既存洗面台撤去・処分
- 配管
- 給排水の接続
- 新しい洗面台の搬入・組立
具体的な工事費は、現場の状況を見て判断されます。
洗面台リフォームの主なパターン3選|それぞれの費用相場と工期も
洗面台リフォームとひとくちに言っても、実施する範囲ややり方によっていくつかのパターンに分けられます。洗面台リフォームの費用帯をある程度事前に把握しておくためには、パターンごとの相場を知っておくことも大切です。ここでは3パターンの洗面台リフォームを紹介します。
洗面台の交換のみ
洗面台のみを交換する場合の費用相場は約10〜25万円で、工期は1日です。壁紙や床の張り替えや付属の収納棚の設置などをしないため、リフォームにかかる費用を抑えられます。ただし、洗面台本体がハイグレードであれば、25万円以上かかる場合もあるでしょう。
注意点は、交換できる洗面台はもともと設置していた洗面台と、同じサイズのものに限られること。設置範囲の拡大ができないため、既存の洗面台と同等サイズの洗面台しか選べないことがほとんどです。
洗面所の全体リフォーム
洗面台の交換に加えて、壁紙や床の張り替え、ドアなども一緒に交換すると、洗面所が全体的に一新できます。一方で、工事内容によっては費用が高くなりやすいため、予算内でできるものがあるかチェックしてみてください。
リフォーム項目 | 費用相場 |
---|---|
天井・壁のクロス張り替え | 約800~1,500円/㎡ |
床・フロアタイルの張り替え | 約2,200〜4,500円/㎡ |
キャビネット造作 | 約10〜30万円 |
ドア交換 | 約5〜10万円 |
ドア枠ごと交換 | 約15〜25万円 |
開閉方法が異なるドアへのリフォーム | 約20〜35万円 |
洗面台の移動・新設
洗面所・洗面台の位置を変更する、もしくは新たに洗面所・洗面台を設置する場合は、配管工事や電気配線工事が必要です。設置場所まで給排水管をのばしたり新しいコンセントを作ったりすることになるので、リフォーム費用は交換するだけよりも割高になります。
通常の工事費用(撤去・組立)約6万円〜に加えて、給排水管費は約4万円〜、電気工事費は約3万円〜がかかるでしょう。床や壁の補修も伴う場合は、合計約20〜30万円の工事費用になることも珍しくありません。
新設する場合は大掛かりな工事になるので、費用は約50万円〜かかります。移設・新設どちらも工期は1〜3日かかると考えておくとよいでしょう。
【価格帯別】洗面台リフォームの事例
どのくらいの価格で具体的にどの程度の洗面台リフォームができるのか、まだイメージがつかめていない方もいるでしょう。ここでは、スペースアップの施工事例を交えて、価格帯別でできる洗面台リフォームを紹介します。
~10万円の洗面台リフォーム
費用 | 約8万円 |
施工内容 | ・扉にリメイクシートを張る ・シャワー水栓に変更 |
洗面台を交換せず、パーツのみをリフォームした事例です。以前の扉は藤色でしたが、錆びた金属のようなアンティークテイストのリメイクシートを張ってクールな印象に仕上げました。もともとのゴールドの取っ手にも馴染んでいるのがポイントです。
水栓は白い樹脂製のものでしたが、見た目や使い勝手を考えてメッキ性のシャワー水栓に交換しました。10万円以下の洗面リフォームでは、水栓や扉などのパーツ交換が可能です。部分的に変えるだけでも、印象は変わります。
~25万円の洗面台リフォーム
費用 | 約22万円 |
施工内容 | ・造作洗面台を2階に新設 |
二世帯住宅にするにあたって、洗面台が一つだけだと混雑すると思い、今回新たに2階に洗面台を設置しました。造作なら限られたスペースでもすてきな洗面台が叶います。デザインにもこだわり、モザイクタイルのカウンターに洗面ボウルを埋め込みました。つい2階の洗面台を使いたくなるほど、おしゃれに仕上げています。収納スペースも確保するため、壁にニッチもつくりました。
~45万円の洗面台リフォーム
費用 | 約40万円 |
施工内容 | ・洗面台を造作 |
以前は2つの洗面ボウルが並び、収納スペースもたくさんあった洗面台でした。今回のリフォームで、ウォールナットカウンターにスタイリッシュな白の洗面ボウルを配置して、シンプルでシックな洗面台になりました。小物にもこだわり、タオルハンガーはブラックアイアンを採用し、カウンター下に取り付けています。生活感あふれる洗面台から、ホテルのような洗面台に生まれ変わりました。
費用 | 約43万円 |
施工内容 | ・洗面台を造作 ・収納スペースを設置 |
八角形という特殊な形のお家ならではの洗面台をご提案。既製品は設置しにくい間取りだったため、シックな雰囲気の造作洗面台を手がけました。カウンターの形から壁材、水栓などのデザインにこだわっています。デッドスペースが生まれやすいお家の形でも、プランニング次第で有効活用できます。今回は、洗面台ともう一つ、収納スペースをつくらせていただきました。見えにくい角度に収納スペースがあるので、ほどよくプライバシーを守ることができます。
50万円~の洗面台リフォーム
費用 | 約50万円 |
施工内容 | ・車椅子向けの洗面台を設置 ・扉を交換 ・クッションフロアを張り替え ・収納棚を造作 |
小さな子どもや車椅子の方が快適に使えるように、LIXILのドゥケア・カウンターという洗面台をご提案しました。こちらはカウンター下に余白があるので、車椅子に座ったまま使用できます。一般的な洗面台の鏡よりも位置が下の方にあることで、誰でも鏡が見やすくなりました。さらには空間を仕切る扉を上吊り引き戸にして、スムーズに開閉できるようにリフォームしています。
費用 | 約90万円 |
施工内容 | ・洗面ボウルを2つに増加 ・独立していた収納スペースを洗面台下にまとめる ・モザイクタイル使用 |
細部までこだわってつくり上げたホテルライクな洗面台。スタイリッシュな見た目とお手入れのしやすさを叶えるために、カウンターと洗面ボウルが一体型になった洗面台を採用しています。背面には天然石や貝殻、ガラスなど多様な素材感を楽しめるモザイクタイルをあしらい、高級感を演出。今までは一つの洗面ボウルで譲り合いながら使っていましたが、洗面ボウルを2つにしたことでスムーズに朝の身支度や就寝準備ができるようになりました。
洗面台リフォームを実施するときの注意点
ここでは、洗面台リフォームを実施するときの注意点を2つ紹介します。事前に把握しておくことで、後悔のない洗面台リフォームができます。
「設置スペースのサイズ」を必ず確認する
まずは現在設置している洗面台のサイズを確認しましょう。洗面台の上に「梁」と呼ばれる部材がある場合は、床から梁下までの高さを測ります。同じ大きさの新しい洗面台を設置するなら問題ありませんが、現在よりも大きいサイズの洗面台に交換したい場合は、十分なスペースを確保できるか確認しなければなりません。
洗濯機ギリギリまで洗面台にしたい場合、洗濯機の揺れで洗面台とぶつかって不具合を起こす可能性があります。洗面台と洗濯機の間を確保しつつ、理想サイズの洗面台を設置できるかチェックしましょう。
「どこから給排水が行われるか」を必ず確認する
洗面台の給排水は「壁排水」と「床排水」のどちらかになります。給排水がどこから行われているかによって、設置できる洗面台の種類が変わります。場合によっては、配管工事を行って設置することもあるでしょう。
洗面台下の扉を開ければ給排水の位置がわかることがほとんどなので、事前に確認しておくとスムーズに洗面台選びができます。その上でカタログを見て、気に入っている洗面台が「壁排水対応」か「床排水対応」か確認しましょう。
洗面台リフォームの費用をなるべく抑えるためのポイント3つ
最後に、洗面台リフォームの費用をなるべく抑えるためのポイントを3つ紹介します。
メーカーにこだわらない
洗面台リフォームにかかる費用をなるべく抑えるなら、メーカーにこだわらないようにしましょう。リフォーム会社は定価よりも安く仕入れてから販売していますが、メーカーごとに割引率が異なります。同じような品質の洗面台であっても、A社は高くてB社なら安く手に入るというケースも少なくありません。メーカーにこだわらなければ、費用を抑えつつライフスタイルにあった洗面台にリフォームできます。
気になる洗面台がある場合は、リフォーム会社に「他メーカーで似たような洗面台はないか」聞いてみるとよいでしょう。その上で見積もりをだしてもらえれば、メーカー同士の価格比較ができます。
洗面台のグレードを下げる
洗面台のグレードを下げると、本体価格を抑えられるかもしれません。ショールームやモデルハウスなどに展示されている洗面台は、さまざまなオプションがついているので、本体価格が高くなっています。ハイグレードの洗面台は機能性もデザイン性もアップしますが、実際に使うと「いらなかった」と思うことも少なくありません。
ただし、グレードを下げすぎると満足感が得られなくなる場合もあるため、必要なオプションは取り入れるようにしましょう。グレードを上げるときは、必要だと思うオプションをリストアップして、そのなかで優先順位をつけてみてください。
複数のリフォーム会社で見積もりをとる
気に入った洗面台を少しでも安くリフォームしたい場合は、複数のリフォーム会社から見積もりをとりましょう。業者によって洗面台の価格や施工費用などが異なるため、複数の見積もりをとることで予算内に収まるリフォーム会社を見つけられます。
このとき、同じ条件で見積もり依頼するのがコツです。同じ内容の見積もりであれば、価格比較がしやすくなります。同時にリフォーム会社ごとの施工事例や対応力などもチェックして、信頼できるかどうかの判断材料を集めておきましょう。
まとめ
洗面台の劣化が目では見えていなかったとしても、排水管や水栓のパッキンなどは劣化が進んでいる場合もあります。放置していると水漏れが発生するため、適切なタイミングで洗面台を交換すると安心です。
洗面台のリフォームを考えている方は、リフォーム実績が豊富なスペースアップにお問い合わせください。予算やご希望をヒアリングして、最適なプランをご提案させていただきます。また、洗面台と一緒に壁や床の内装の張り替えも承れますので、お気軽にご相談ください。
記事の監修者
リフォームアドバイザー
藤本塁
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。