大切な住まいに長く住み続けるために欠かせないのが、外壁のリフォーム。
新築間もない頃は、外壁もきれいなので修繕の必要はありません。しかし5年、10年と経過するにつれて、劣化が進んで色あせや損傷が目立つようになってきます。
住まいの品質を保つために不可欠な外壁塗装ですが、信頼できる業者の探し方がわからず,
困っている方も多いでしょう。
今回は外壁塗装を検討中の方に向けて、外壁塗装業者の選び方を解説します。具体的な探し方や悪質な業者を見分けるコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装業者とは?主な4つのタイプも
一般的な戸建て住宅は、築10年を目安に外壁のメンテナンスが必要です。
日常的に雨風や紫外線にさらされる外壁は、徐々に防水性や耐久性が低下します。
外壁塗装は経年劣化した部分の耐久性や断熱・遮熱性を向上させ、見た目の美しさも改善します。
この一連の外壁メンテナンスを請け負うのが、外壁塗装業者です。
その外壁塗装業者には4つのタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
タイプ1:外壁塗装専門業者
外壁塗装専門業者は、外壁塗装のみを専門に請け負う業者です。地域密着で営業している業者が多く、インターネット広告よりもチラシや看板での宣伝を中心に、紹介やリピートで顧客を獲得しています。
下請け業者を間に挟まないため価格が安く、工事日程などの融通も比較的効きやすいです。
一方で、良質な業者か悪質な業者かの判断がつきにくいので、情報収集は慎重に行いましょう。
タイプ2:工務店
工務店は、同じ県内や市内などの比較的近い距離をベースに、住宅の新築やリフォーム工事を請け負っています。
地域密着型で展開し、要望に対する細やかなプランニングが得られるほか、予算に対する相談にも応じてくれやすいのが特徴。
塗装工事に関しては、下請けの専門業者に依頼するケースが多いため、直接専門業者に依頼したときよりも、価格は高くなります。
タイプ3:ハウスメーカー
ハウスメーカーは全国展開している大手企業が多く、独自に専門のリフォーム部隊を抱えているケースが多いです。
メンテナンスを含めたアフターフォロー体制を整えているため、もし自宅をハウスメーカーで建てたなら、新築したメーカーにメンテナンスを頼むとスムーズです。
しかし広域展開しているために下請け業者の数も多く、技術に差があるケースが少なくありません。ハウスメーカーへの手数料も発生するので費用は高くなりますが、いざというときの相談先や安心感を得たい方には、おすすめの業者です。
タイプ4:リフォーム会社
リフォーム会社も、工務店同様に地域密着型のスタイルが多く、きめ細やかな対応が期待できます。
工務店との大きな違いは、リフォーム業者の前身がどのような分野だったかによって、外壁塗装の技術に差がある点です。
水道設備関連からリフォームに転換した会社もあれば、材木関連からリフォームに転換した会社もあります。
もし外壁塗装業者から転換したリフォーム会社に出合えれば、外壁塗装への知識や技術は申し分ないでしょう。
リフォーム会社はデザインの提案力も高いため、住まいの見た目と印象を大きく変えたいときや、外壁塗装と内装リフォームを一緒に行いたいときにおすすめです。
外壁塗装業者を探す方法
外壁塗装業者を探すのにおすすめな方法は、次の3つです。
- インターネット検索
- 広告・チラシ
- 知り合いからの紹介
それぞれ見ていきましょう。
インターネット検索
広く情報を集めたいのなら、インターネット検索がおすすめです。
キーワード検索に、住んでいるエリアと「外壁塗装」という言葉を入れれば、エリア内で対応可能な外壁塗装業者が閲覧できます。
業者によっては目安価格を掲示しているところもありますので、価格の相場を把握するのにも役立ちます。
複数の業者からの見積もりをまとめて比較したいのなら、「一括見積もりサイト」を利用するのも方法の1つです。
ただし一括見積もりサイトは便利な反面、おすすめ度の信ぴょう性がわからない、しつこく見積もり依頼を促されるといったデメリットもあります。デメリットを把握したうえで、利用しましょう。
広告・チラシ
新聞の折込チラシやポスティングチラシ、さらに駅や街中で見かける看板からも地域の外壁塗装業者を把握できます。
地域密着型の外壁塗装業者の中には、あまり多くの費用を広告宣伝費にかけておらず、インターネット検索ですぐに名前が出てこないケースも多いです。
広告やチラシ、看板などで気になる業者を見つけたら、一度調べてみると良いでしょう。
知り合いからの紹介
知り合いからの紹介は、安心感が高く事前情報も得やすい探し方です。
もし身近に外壁塗装をした人がいれば積極的に声をかけ、依頼先の業者名や満足度について聞いてみましょう。
特にはじめて外壁塗装を依頼する場合、工事中に気をつけた方が良いことなど気になるポイントも多いはず。教えてもらえる範囲で情報を集め、不安をなくしておきましょう。
【ポイント別】外壁塗装業者の選び方
実際に外壁塗装業者を選ぶときに、注意したいポイントは次の5つです。
- 施工実績の豊富さ
- 資格・許可の有無
- アフターサービス・保証制度の充実度
- 見積もり・商談時の対応
- 施工体制
どれも優良な外壁塗装業者を選ぶのに、欠かせないポイントばかりです。順に解説しますので、ぜひ参考にしてください。
施工実績の豊富さ
ホームページに施工事例が公開されているなら、どのような現場を多く経験してきたのかも、必ず確認しましょう。
このとき各工程の写真が掲載されていれば、優良な外壁塗装業者としての信頼度はさらに上がります。
もし悪質な外壁塗装会社の場合、実績として掲載できる施工現場はほぼありませんし、あったとしても文章や依頼者の写真のみで、具体的な工程写真は掲載されません。
豊富な施工実績とともに工事の詳細が紹介されていれば、優良な外壁塗装業者だと判断する1つの目安になります。
資格・許可の有無
外壁塗装業者には、特別な免許や資格は必要ありません。
しかし塗装技術の高さをあらわす「塗装技能士」の資格を取得した人が在籍する業者ならば、安心して依頼しやすくなります。
塗装技能士は1級・2級・3級に分かれた国家資格で、取得に実技試験と学科試験両方の合格が必要です。
さらに1級は、受験資格として7年以上の実務経験が定められています。
1級塗装技能士が在籍している外壁塗装業者ならば、経験豊富なスタッフが在籍していると判断できるので、評価目安の1つになります。
さらに国もしくは自治体による審査を通過すると取得できるのが、「塗装工事業許可」です。
「塗装技能士」の在籍や「塗装工事業許可」の有無は信頼度を図る基準になるため、ホームページを確認するときは忘れずにチェックしましょう。
アフターサービス・保証制度の充実度
アフターサービスや保証制度が充実しているかどうかも、優良な外壁塗装業者を見分ける大切なポイント。
しかし保証制度があるからといって、内容も確認せずに申し込むのは危険です。
保証内容の詳細や受けられる期間、さらにどのような条件が保証の対象になるかもしっかりとチェックし、納得したうえで決めましょう。
見積もり・商談時の対応
見積もりや商談時の対応についても、注意したいポイントです。
大切な住まいのメンテナンスを任せる業者を探すときは、担当者との相性や対応の丁寧さにも注目しましょう。
外壁塗装は工事期間も2週間程度と長期にわたるケースが多く、担当者とは頻繁にやり取りします。
見積もりや商談時は、以下のポイントを必ずチェックしてみましょう。
- 専門用語をなるべく使わず、わかりやすい表現で具体的に説明してくれるか
- メリットのみ強調せず、デメリットやリスクもしっかり説明してくれるか
- 質問に具体的に答えてくれるか
もし見積もりや商談時の対応に違和感をおぼえたら、依頼せずに見送るのが賢明です。
施工体制
外壁塗装業者を選ぶときは、施工体制にも注意しましょう。
たとえば外壁塗装のみを行いたいなら、自社施工の外壁塗装専門業者の方が柔軟に応えてくれやすく、コストも低く抑えられます。
一方で外壁塗装と内装リフォームを同時に行いたいなら、下請け施工に塗装を任せ、リフォーム工事を同時に進めてくれる工務店やリフォーム会社の方がスムーズに進みます。
いずれの施工体制も、自社の特化した部分で専門的に行えるというメリットは変わりません。
塗装技術の高さを求めるなら外壁塗装専門業者を、トータルの提案力を求めるなら下請け施工を行う工務店やリフォーム会社などに依頼すると良いでしょう。
悪質な外壁塗装業者がよく用いる3つの手口
悪質な外壁塗装業者をすぐに見分けるために、よく用いられる3つの手口を解説します。もしこのような手口にあったら十分注意し、安易に契約しないようにしてください。
契約を急かしてくる
よくある手段のひとつが、実際はそこまで状態が悪化していないのに「かなり外壁が劣化している」と過剰に不安をあおり、手遅れになる前にと急かしてくるケースです。
同様の手口で、あえて割引金額を掲示し「今日中に決めないとこの値段では行えない」と契約を迫る場合もあります。
ただし、優良な外壁塗装業者でも、繁忙期などでスケジュール確保が難しく、「この日までに決定しなければ施工スケジュールが前後する」と、正当な理由で急かすケースはあります。しかし外壁の状態を理由に過度に不安をあおったり、金額を理由に急かしたりはしません。十分注意してください。
過剰な値下げに対応する
特別な理由もないのに「足場代0円」や「特別キャンペーン中」といった過剰な値下げ対応をしたり、値下げを提案してくる業者にも注意が必要です。
目安として、見積もり金額の10%以上の値引きを提案してくるときは、当初の見積書の内容すら信頼できません。
不安を感じたらその場では返答せず、家族に相談したり、他に見積もりを取っている塗装業者から意見を聞いたりしてみましょう。
施工前の料金一括払いを要求してくる
施工前の料金一括払いを要求されたら、その場で返答せずいったん保留にしましょう。
外壁塗装は住宅のメンテナンスの中でも高額な費用が発生し、ときには100万円近くの費用がかかります。
施工前にそれだけの大金を一括払いすると、工事をせずに料金を持ち逃げされるリスクもあるため大変危険です。
また執拗に契約を迫られるケースもあるため、その場では断らず、保留にするのが無難でしょう。
優良な外壁塗装業者は通常、料金の支払いを施工後の一括払いか、施工前と施工後の2回で設定します。
施工後の一括払いが最も安心な方法ではありますが、業者によっては施工前の一時金で必要な材料を手配するため、2回払いも通常よくとられている方法です。
料金の支払い方法については契約前に必ず確認し、不審な点があれば保留にして慎重に判断しましょう。
優良外壁塗装業者をスムーズに見つけるためのコツ
最後に、優良外壁塗装業者をスムーズに見つけるための、2つのコツを紹介します。
こだわりたい要素や理想の仕上がりを明確にしておく
外壁塗装を頼むときは、自分のこだわりたい要素を考え、理想の仕上がりを明確にしておきましょう。もし優良な外壁塗装業者が複数見つかっても、こだわりたい要素や理想の仕上がりが明確であれば、業者をスムーズに決められます。
外壁塗装をきっかけに外観をがらりと変えたいなら、デザイン力と提案力に強みがある外壁塗装業者を。技術力を重視したいなら1級塗装技能士のいる外壁塗装業者をといったように、こだわるポイントが変われば最適な業者も変わります。
担当するスタッフの人柄も見ながら、安心して任せられる外壁塗装業者を選びましょう。
相見積もりは2~3社に留める
外壁塗装業者を選ぶときは、複数の業者に相見積もりをとるのが基本です。
相見積もりを取ってそれぞれの業者を比較すれば、費用相場の比較ができますし、何より複数の業者から話を聞けるので客観的な判断がしやすくなります。
しかし、あまり多くの業者から見積もりを取ると、判断基準があいまいになるだけでなく、中には見積もり後に営業をかけてくる業者もあるでしょう。
こだわりたい要素を決めたら、相見積もりをとるのは基準を満たす2~3社に留めるのがおすすめです。
まとめ
外壁塗装は、外壁塗装専門業者のほか、工務店やハウスメーカー、リフォーム会社などで依頼できます。
外壁塗装は、住宅の品質を保つために欠かせませんが、塗装直後の様子から品質の良し悪しを判断しにくいため、特に悪質な業者が多いとも言われている業界です。
信頼できる外壁塗装業者探しに不安がある方は、ぜひスペースアップにご相談ください。スペースアップはリフォーム専門会社として、外壁塗装に関するご相談も承っています。内装リフォームも合わせて承りますので、お気軽にお問い合わせください。
記事の監修者
設計士
西村佳晃
一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。
建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。