リフォームコラム

小上がりとは?メリット・デメリットや設置のポイント、おしゃれな和室実例もご紹介!

リビングの一角や旅館などで、「小上がり」という一段高く設けられた空間を見たことがあるでしょうか。高さを生かして、収納やくつろぐスペースとしてよく使われています。畳スペースにすることが多いですが、和室以外にも用途によってつくり変えられるので、うまく活用して家づくりをしていきましょう。今回は、小上がりのメリットやデメリット、リフォームで小上がりをつくるときに気をつけるべき点や事例をご紹介します。

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小上がりとは?

小上がりとは、お部屋の一角に一段上がるかたちでつくられたスペースのこと。周囲より床の高さを30〜40cmほど高くすることで、空間を区切ります。

小上がりを設置する場所はどこでも構いませんが、住宅の場合はリビングの一角に設けられるケースが大半。客間やくつろぎスペース、洗濯物を畳むスペース、お子さんの遊び場など幅広く活用でき、段差部分は大容量の収納スペースとして使うこともできます。床には畳を敷き詰めることが多いですが、用途に合わせてフローリングやカーペット等を選ぶのもよいでしょう。

小上がりのメリット

小上がりを設けることで、暮らしにどのような影響があるのでしょうか。ここでは具体的なメリットを4つご紹介していきます。

下を収納スペースとして活用できる

小上がりの下部は収納として活用でき、来客用布団やオフシーズンの衣類や家電、おもちゃなどをしまうことができます。住宅の面積が狭く、収納スペースが不足しているご家庭には非常におすすめ。かさばるものや使用頻度の低いものをたっぷりとしまうことができるので、リビングがすっきりと片付きます。

収納方法は引き出しタイプのほか、小上がりの床部分をフタとして取り外せるタイプなどさまざまな種類があるので、用途に合わせて選びましょう。

段差に腰掛けてくつろげる

段差部分にちょうど腰掛けてくつろげるのも、小上がりの魅力です。畳に正座をするのが辛い方や、足腰が弱く床に座ると立ち上がるのが大変という方にもおすすめです。

小上がりに座ると、ちょうどリビングのソファやダイニングチェアに座っている方とも視線が合う高さになります。大勢の人が集まるときには、小上がりにサブのテーブルを出すと、ダイニングテーブルに座っている方とも目線の高さを合わせながら会話を楽しむことができますよ。

立体感が生まれておしゃれに見える

小上がりをつくって床に高低差ができると、空間に立体感が生まれます。リフォームで小上がりをつくると、お部屋のイメージががらっと変わりますよ。

小上がりはもちろん狭い家にもぴったりなのですが、「広くてフラットな空間はどこか寂しさを感じる」という場合にも検討されるとよいでしょう。お部屋にメリハリがつき、おしゃれな雰囲気を演出できますよ。

リビングからホコリが入ってきにくい

小上がりは一段上がっているので、リビング側からホコリが入ってきづらくなります。赤ちゃんを床に寝かせるのは嫌だという方も、一段上がった小上がりなら抵抗を感じにくいでしょう。

またお子さんの遊び場として小上がりを使う場合、リビング側におもちゃが散乱しにくいというメリットも。床の高低差で「遊ぶスペース/リビングスペース」を区切りながら、リビング側からの見通しのよさは確保できます。

小上がりのデメリット

小上がりの設置を検討している方は、デメリットもしっかり把握しておきましょう。主なデメリットは次の3つです。

小さなお子さんの落下に注意が必要

子どもの年齢によっては「遊びに夢中で誤って落ちる」などの危険が伴う可能性があります。もし赤ちゃんや幼児のいるご家庭で小上がりを設置したい場合は、段差を低めにするとよいかもしれません。もしくは間仕切りや柵を設置して、安全面を確保するのもひとつの手です。

ロボット掃除機で一度に掃除できない

家事の負担を軽減したい方の中には、ロボット掃除機を活用している方もいらっしゃるでしょう。外出している間も自動で掃除してくれる便利な機械ですが、段差をのぼることはできません。そのためリビングと小上がりの掃除が一度にできず、不便に思うことも。設置を視野に入れる場合は、このような欠点も理解しておきましょう。

リビングが狭く感じられることもある

リビングの広さや天井高よっては、小上がりを設置すると圧迫感がでてしまうこともあります。段差のない畳コーナーや、段差が低めの小上がりなども検討されるとよいでしょう。内装を明るめの色でまとめたり、低めの家具を置いたりするのも、広く見せるのには有効です。

小上がりの種類は?

小上がり下部の収納方法は、主に「引き出し」と「天面開口」の2タイプ。どちらの開閉方法を取り入れるかで使いやすさが変わってきます。それぞれの特徴を見てみましょう。

引き出しタイプ

引き出しタイプは、下部を手前に引いて使うスタイル。小上がりで誰かがくつろいでいても出し入れができるので、普段づかいのおもちゃや衣類も収納しやすいです。

デメリットとして、奥に収納しているものが取り出しにくいこと。よく使うものを手前に、あまり使わないオフシーズンのものや来客用布団などを奥に収納するなど、工夫するとよいでしょう。

天面開口タイプ

天面開口タイプは床面(畳の下)につくられたフタを開けて収納するスタイルです。フタを外すと中に入っているものが一目で確認できるのがメリット。布団のようなかさばるものも出し入れしやすいです。

デメリットは小上がりに人がいたり、布団や机を置いたりすると、物が出し入れできない点。オフシーズンの家電や衣類、思い出の品、来客用布団などを入れておくといいでしょう。

小上がりを設置するときに気を付けたいポイント

せっかく小上がりを設置するなら、快適でおしゃれな空間に仕上げたいですよね。そこで、設置するうえで気をつけたいポイントを5つお伝えします。

【ポイント1】小上がりの広さ

リビングの一角に小上がりを設ける際は、3畳・4.5畳・6畳ほどの広さが一般的です。面積が限られている場合でも取り入れやすいのが4.5畳で、個室として使いたい場合は6畳が向いているでしょう。

3畳は用途を決めておかないと、狭すぎて使いづらい空間になりがちです。逆に広すぎる小上がりは、リビングに圧迫感がでてしまうこともあります。使い道を明確にしてから広さを選びましょう。

【ポイント2】間仕切りの有無

寝室や客室として使いたい場合は、間仕切りを設けるといいでしょう。開放感を重視するなら、間仕切りをなくしたほうがすっきりします。

完全個室にしたいなら引き戸を設けるとよいですが、ロールスクリーンなどを使って簡易的に仕切る方法も。コストが安く抑えられ、家族の存在をほどよく感じながら小上がりで過ごせるというメリットもあります。

【ポイント3】段差の高さ

小上がりの高さは約30〜40cmが一般的。大人が腰掛けるのにちょうどよい高さで、収納スペースも問題なくつくれるでしょう。

ただし、お子様の落下が気になる場合や、高齢者や足腰の弱い人の登り降りのことを考えると、20cm前後の高さが使いやすいケースも。また天井が低い場合は、小上がりの段差を低めにすると圧迫感がでにくいです。ただし段差を10cmなどあまりに低くしすぎると、つまずきの原因になるので注意が必要です。

【ポイント4】収納部分の用途

小上がりの広さや段差の高さによって、下部に収納できる物のサイズと量が変わってきます。子どものおもちゃや季節家電など、あらかじめ収納したいものをピックアップしてから計画しましょう。

【ポイント5】畳の色やデザイン

小上がりをおしゃれな空間に仕上げるなら、畳の色やデザインにもこだわりましょう。最近はモダンに見えるフチなしや正方形の畳が人気です。

モノクロやベージュ系、グリーン系など、琉球畳のカラーバリエーションは豊富なので、LDKのインテリアにマッチするデザインを取り入れましょう。

小上がりを後付けで設置する費用は?

小上がりを後付けする費用相場

広さ費用相場
3畳約15万円〜
4.5畳約20万円〜

追加費用

追加工事費用目安
下部収納(市販)+約6万円〜
下部収納(造作)+約15〜20万円
掘りごたつ+約25〜30万円
間仕切り+約18万円〜
LDKクロス張り替え+1㎡あたり約800〜1,500円

畳の種類ごとの費用相場

畳の種類費用相場
一般的な縁あり畳1畳あたり約1万〜3万5千円
縁なしの琉球畳1畳あたり約1万7千円〜4万円

畳の表面の素材によっても価格は変動するため、どれがいいか見本帳を使いながら決めるといいでしょう。

なお収納の導入方法は、既製品と造作の2パターン。既製品だとメーカー保証が受けられるのがメリット。造作はデザインやサイズの自由度が高いですが、既製品よりも割高です。

また小上がりの段差を活かして、掘りごたつにするケースも。造作は費用がかさむため、掘りごたつ付きの市販品を使用することが多いです。

また小上がりを後付けする際に、LDK全体のクロス張り替えをする方もいらっしゃいます。クロスのグレードによっても費用が変わってきます。

小上がりのあるおしゃれな和室実例3選

スペースアップでは、小上がりリフォームを数多く手掛けています。今回は施工実績を3つピックアップして、それぞれの注目ポイントをご紹介していきます。

【事例1】空間がつながり広くなったLDKの一角に、小上がりのモダンな畳スペースをプラス

■建築タイプ:マンション
■築年数:21年

部屋をつなげて広い空間になったLDKの一角に、小上がりの和室を設けた事例です。淡い色合いのフローリングや、ダイニングの床にあしらったオレンジのフロアタイルなど、お好きなテイストを絶妙な組み合わせたLDK。そんなミックススタイルの中にある小上がりの和室には、天井にネイビーのクロス、市松敷きの畳、プリーツスクリーンなどを組み合わせて、和モダンなスペースへ。LDKのスタイルともマッチした、くつろぎ空間になりました。

【事例2】仏壇のあるコンパクトな小上がりスペース

■建築タイプ:マンション
■築年数:40年

リビングの一角に、小上がりの仏壇スペースを設けた事例です。コンパクトな小上がりですが、畳に上がって仏壇に手を合わせたり、段差に腰掛けて休んだりできるスペースになりました。小上がりの下部は引き出しにして、仏壇とは関係ない物を収納できるようになっています。

【事例3】寝室の広い小上がりをベッドスペースに

■建築タイプ:マンション
■費用:60万円
■築年数:18年

小上がりのベッドスペースをつくった事例です。段差部分に間接照明を仕込み、小上がりの存在をアピールしつつ、空間に安らぎを与える演出に。ベッドヘッドにも間接照明を取り入れたり、垂れ壁を斜めにデザインしたりしたことで、ホテルのような高級感がプラスされました。寝室内にはワークスペースや収納もつくり、在宅ワークにも対応できるようにしています。

まとめ

リビングや寝室の一角に設置して、くつろぎの場や遊び場として活用できる小上がり。広い空間に高低差でメリハリをつけ、段差部分は収納スペースや掘りごたつとして有効利用できます。

フラットなリビングをイメージチェンジしたい方は、小上がりをつくってみてはいかがでしょうか。家族や来客にとって、きっと居心地のいい空間になるはずです。小上がりで圧迫感がでないか心配な方は、リフォーム会社に相談しましょう。スペースアップではあなたの家にぴったりな小上がりの広さや高さ、おしゃれな内装や照明演出などご提案させていただきます。

記事の監修者

リフォームプランナー

鈴木淑子

二級建築士 / インテリアコーディネーター

お客様の要望に応えるべく、プロの目線と女性の目線を掛け合わせて、様々なプランをご提案。ご要望を反映した図面や完成予想図を見ながら細かく話し合い重ね、理想を超える住まいをデザイン。間取りや動線、インテリアデザインまで、幅広く理想の暮らしを叶えるためのポイントを、わかりやすくお伝えします。

お客様の要望に応えるべく、プロの目線と女性の目線を掛け合わせて、様々なプランをご提案。ご要望を反映した図面や完成予想図を見ながら細かく話し合い重ね、理想を超える住まいをデザイン。間取りや動線、インテリアデザインまで、幅広く理想の暮らしを叶えるためのポイントを、わかりやすくお伝えします。