ペットリフォームは、ペットのためだけでなく一緒に暮らす人や住まいにとってもおすすめです。家がペット仕様になっていないと、いたずらをされたりペットが怪我をしてしまう可能性も。傷に強い素材や消臭効果のある素材を選べば、掃除が楽になり快適な住まいになるでしょう。
今回はペットリフォームをするメリットやお悩み別のポイント、スペースアップが手がけたリフォーム実例をご紹介します。
ペットリフォームとは?
ペットリフォームとは、大切なペットと快適に暮らすためのリフォームです。
ここでは、ペットリフォームをするメリットを3つご紹介します。
ペットリフォームをするメリット
メリット1.ペットが安全で快適に過ごすことができる
滑りにくい床材などを取り入れることで、ペットにとってより快適な住まいになります。脱臼や骨折などの怪我を防ぐためには、ペット用のフローリングやペット用のクッションフロアがおすすめ。また、断熱性を高めることで、ペットの体調管理を助けることもできます。
メリット2.ペットのいたずら・臭い対策ができる
ペットとの暮らしで注意したいのが、いたずら・臭い問題です。何も対策しなければ、猫が壁紙を引っ掻いてボロボロにしてしまったり、犬が走り回って床が傷ついてしまったり、ペットの臭いが家に染み付いたりしてしまうことも。傷がつきにくい床材や消臭効果のある壁紙にリフォームすれば、家が傷んだり臭いが染み付いたりするのを防ぐことができます。
メリット3.ペットのお世話がしやすくなる
例えば、ペットフードやトイレをまとめておけば、1カ所だけでペットのお世話がすみます。また、土間を作り、ペット用のシャワースペースを設ければ、外から帰ってきたときのお手入れもスムーズです。普段の環境と違うとストレスになるので、来客時にペットが避難しておけるようなペット専用部屋を作るのもいいでしょう。
【共通】ペットのお悩み別リフォームポイント
ペットとの暮らしで悩まれる方が多いのが、臭い・騒音・いたずら・移動・お掃除の5つの問題。ここでは、それぞれのお悩み事の対策になるリフォームをご紹介します。
チェックしたいポイントやおすすめの商品、費用相場もまとめているので、参考にしてくださいね。
臭い対策
ペットの臭い対策としては、壁紙や床材を消臭機能があるものに交換したり、空気清浄機を導入したりする方法があります。
床材
消臭機能のあるペット専用の床材がおすすめ。耐水性、耐アンモニア性に優れている床材なら、ペットが汚してしまっても安心です。表面は滑りにくい仕上げなので、ペットの怪我防止にも繋がります。
費用相場:6帖…9~14万円
壁紙
壁紙も、消臭効果のあるものがおすすめです。エコカラットなどのタイルをアクセントとして貼ると、デザイン性がアップしておしゃれな空間になります。
費用相場:1部屋6帖(天井・壁)…約5万円〜
空気清浄機
すっきりした見た目が好みなら、Panasonic「エアイー」のような天井埋め込み型や壁掛け型の空気清浄機がおすすめ!後付けでも簡単に施工が可能です。
費用相場:4〜6.5万円
騒音対策
鳴き声や足音対策には、窓や床材を防音性の高いものに変更するといいでしょう。防音対策することで、音に敏感なペットにとっても安心できる住まいになります。
窓
内窓を取り付けると、防音効果を高めることができます。断熱効果や結露防止効果も高まるので、ペットにとっても快適な環境が整うでしょう。
費用相場:1箇所 8~15万円
床材
クッション性のある床材や防音効果のある床材を採用することで、ペットの足音が響くのを抑えることができます。
費用相場: 床材をカーペットに張り替え…4.5~12万円
防音フローリング…25~80万円
お部屋全体を防音室にする
ペット専用部屋を作るなら、お部屋全体を防音仕様にリフォームするのもおすすめ。ご自身の趣味部屋としても使えますよ。
費用相場:200~800万円
いたずら対策
ペットの安全を守り、人もストレスフリーで暮らすためには、いたずら対策も重要です。
キッチン
特にいたずらに悩むのがキッチン。猫は調理台に乗ってくる可能性があるので、ガスではなくIHだと安心です。物を引っ張り出されないように、収納やパントリーに扉をつけるのもよいでしょう。
費用相場: ガスコンロをIHに交換…20〜30万円
網戸
引っ掻いて破られてしまうこともある網戸。対策としては、ステンレスのネットに変更する方法があります。
費用相場:1枚 1〜2万円
コード
ペットがコードに引っかからないよう、コンセントの位置を高い位置に移動するなどの対策をしましょう。
費用相場:コンセントの増設…1.2万円~
クロス
引っ掻いたりかじったりされてすぐにボロボロになってしまうクロス。いたずら防止には、引っ掻き傷に強い「ペット用クロス」がおすすめです。
費用相場:1部屋6帖 約5万円〜
移動対策
猫は家中をパトロールするのが大好き。自由に行き来できるよう、移動対策をしてあげましょう。
ペットドア
ペット用の小さなくぐり戸がある室内ドアを採用すると、扉を開けなくてもペットが自由に部屋を行き来できます。ドアを開けてほしくて爪で引っ掻いてしまう、などの対策にも効果的です。
費用相場:5~10万円
間取り
一つの部屋が狭いと、ペットが窮屈に感じることも。ペットが室内を自由に動き回れるように、間仕切り壁を撤去するなどの間取り変更リフォームもおすすめです。
費用相場:間仕切り壁の撤去…5~20万円
お掃除対策
ペットがいると、床はどうしても汚れてしまいがち。アンモニアに弱いフローリング材は避け、掃除しやすい床材を選びましょう。
床材
ペット用フローリングやペット用クッションフロアなど、ペット用の床材を選択しましょう。水やアンモニアに強いので、ペットが粗相してしまった時も拭くだけでお掃除が完了します。
費用相場:6帖…9~14万円
床暖房
エアコンやヒーターのように風が出ないので、ペットの抜毛が舞いにくいのがメリット。Panasonicのアーキスペックシリーズという床材は、傷に強く、床暖房にも対応しています。
費用相場:床暖房設置…30万円~
熱源機の設置(温水式、給湯器増設の場合)…25~100万円
【猫編】ペットのお悩み別リフォームポイント
ここでは、猫を飼っている方のよくある悩み対策についてご紹介します。
それぞれの費用相場も解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね!
爪とぎ対策
猫を飼っていて困るのが、爪とぎです。特に猫の手が届く腰高までの壁紙は、対策しないとすぐにボロボロにされてしまいます。
そんな猫の爪とぎ対策には、傷に強い建材を使った腰壁リフォームがおすすめ。クロスがボロボロになるのを防ぐうえに、お部屋のアクセントにもなります。
費用相場:腰壁設置…1~2万円
遊び対策
猫は運動と高いところが大好き。ずっと家の中で過ごす猫のために、遊び対策としてキャットウォークを設置してあげましょう。リフォームなら配置も自由。キャットウォークと造作家具を組み合わせれば、収納スペースを増やすこともできますよ。
キャットウォークをつけることで、飾り棚やカーテンレールへのいたずら減少にもつながります。ぜひ家のインテリアに馴染むようなキャットウォークを考えてみてくださいね。
費用相場:キャットウォーク設置…5~10万円
いたずら対策
気候の良い時期や換気のために、窓を開けて網戸にしたい時もありますよね。しかし「窓を開けていたら、いたずらで網戸を引っ掻かれてしまった」という経験がある方も多いのではないでしょうか。網戸が破れるたびに修理していたらキリがありません。
猫の網戸へのいたずら対策には、ステンレス網戸への交換がおすすめ。普通の網戸より割高ですが、やぶれにくく頑丈なので長期的にみるとお得です。
費用相場:1枚 1〜2万円
【犬編】ペットのお悩み別リフォームポイント
続いて、犬を飼っている方のよくある悩み対策についてご紹介します。
それぞれ費用相場も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
脱走・飛び出し対策
犬を飼われているお家におすすめなのが、門扉や柵の設置。犬の脱走や飛び出し対策に効果的です。
特に一戸建てで目の前に道路がある場合、犬が飛び出して事故をしてしまうかもしれないので、玄関前には門扉を設置したいですね。
できれば、家のまわりをぐるりと一周フェンスや塀で囲むと安心です。
費用相場:門扉…50万未満
家のまわりをフェンスや塀で囲む…50~100万円
遊び対策
犬は外で走り回って遊ぶのが大好き。庭付きの一戸建てに住んでいる方には、庭にドッグランスペースを作るリフォームも人気です。天然芝や人工芝を敷くと、見た目にも美しく犬も快適に過ごすことができます。
また、外に犬専用の洗い場をつけると、お散歩後の足を洗ったりシャンプーをしたりと便利です。冬に使うことも考えて、お湯を使えるようにしておくといいでしょう。
費用相場:ドッグラン…10〜100万円
ペット用立水栓…15~30万円
ペットリフォームで気を付ける点
ペットリフォームは普通のリフォームとは違い、注意する点がいくつかあります。ここでは、ペットリフォームを検討する際に注意したい、ペットへの配慮や対策を解説します。
ペットにあった素材を選ぶ
ペットリフォームで気をつけたいことの1つが、ペットにあった素材を選ぶこと。
素材がペットに合っていない場合、ペットの健康に悪影響を及ぼす可能性も考えられるので注意が必要です。できれば、リフォーム前に候補の素材を置いて、ペットの反応を確認できると安心ですね。
ペットの専門家や施工会社にも相談して、ペットに合った素材を見極めましょう。建材はペット専用のものもあるので、その中から気に入ったものを選ぶのもおすすめですよ。
増築の場合は申請が必要
ペットリフォームでは、ベランダを部屋にしたり、サンルームを設置したりするリフォームも人気です。
ただしこれらは増築扱いになり、建築確認申請をする必要があるので注意しましょう。
建築確認申請が必要なケース
- 防火地域・準防火地域
- 10㎡を超える増築
逆を言うと、増築するのが防火地域・準防火地域以外で10㎡を超えない場合は確認申請の必要がありません。よくわからなくて不安という方は、お住まいの自治体やリフォーム会社に問い合わせてみるといいでしょう。
仮住まい
床材や壁紙を変えるリフォームは数日で完了しますが、家全体をフルリフォームしようと思うと1〜3カ月かかることも。住みながらのリフォームが難しい場合は、リフォーム中の仮住まいを考えなければいけません。別途、仮住まい先の家賃や引越し代も必要です。
仮住まいには、短期契約できる物件やマンスリーマンションなどを利用される方が多いです。家族や親戚が近くに住んでいる場合は、仮住まいをお願いできないか確認してみてはいかがでしょうか。
ペットのストレス
工事期間中は、どうしても激しい騒音や知らない人の出入りがあります。トイレや寝床、食事場所など、ペットの普段のテリトリーが使えないこともあるでしょう。いつもと違う環境に置かれると、ペットはストレスを感じてしまうこともあるので注意が必要です。
また、工事中は釘などの誤飲や脱走など、ペットの危険対策にも気を配る必要があります。ペットホテルや隔離部屋など、ペットが落ち着けて安全に過ごせる場所を用意してあげてくださいね。
ペット嫌いの職人
リフォーム業者の職人がペット嫌いかどうか、もし気になるようであれば、事前にリフォーム業者に確認しておいた方がベターです。ただし、職人はペットがいるお宅にも数多く訪問しているはずなので、ほとんどの場合は問題ないでしょう。
実績のある業者に相談する
ペットリフォームは、ペットリフォームの実績がある業者にお願いしましょう。ペットの健康面に大きな影響を及ぼすので、ペットに関する知識があるかどうかは重要なポイントです。
たくさんの実績がある業者なら、こちらが思いつかないような素晴らしい提案をしてもらえる可能性もあります。
スペースアップは、ペットリフォームの実績多数!お客様のご希望をお伺いし、ペットに合った素材でお部屋にあった最適なリフォームをご提案させていただきます。
ペットリフォーム事例7選
事例1:庭で遊ぶワンちゃんを見守られるキッチン
こちらは、使っていない和室と北側の庭を利用してワンちゃんが楽しく過ごせる間取りにリフォームした事例です。キッチンの位置をお庭の横に配置したことで、料理をしながらでも庭で遊ぶワンちゃんの様子を見守れるようになりました。
キッチンは家の雰囲気に合わせ、インダストリアルスタイルに。
間取りを変更したことで、風が玄関から家の中を通り抜けるようになり、暑い夏でもエアコンの必要がないくらい涼しく。
人にとってもワンちゃんにとっても、快適に過ごせるお住まいが完成しました。
事例2:収納を兼ねた便利なキャットウォーク
こちらは、猫ちゃんの遊び場対策として、寝室にキャットウォークを設置した事例です。
キャットウォークは収納も兼用しているので、猫ちゃんのおもちゃや寝室で使うちょっとしたものの収納にもぴったり!猫ちゃんがアップダウンを楽しめるように、収納ボックスはランダムに配置しました。
背面のクロスは、落ち着いたベージュの猫ちゃん柄をセレクト。床やキャットウォークにもよく馴染み、リラックスしたい寝室にぴったりです。
事例3:LDKに設けたワンちゃん専用スペース
こちらは、寂しがりやのワンちゃん3匹のために、LDKにワンちゃん専用スペースを設けた事例です。LDKの隣にある押入れの下部分をくり抜いて、使っていたケージの扉部分を再利用する形で取り付けました。
中の壁は張り合わせたバラ板、床材は樹脂製のフロアタイルを使用しているので、ワンちゃんが引っ掻いても安心です。
コストパフォーマンスを意識しつつも、インテリアによく馴染む、可愛い専用スペースが完成しました。
事例4:猫が家中をパトロールできる猫用扉
こちらは、家中をパトロールするのが大好きな猫ちゃんのために、LDKのドアをペット用の扉付きのものにリフォームした事例です。
一時的に出入りを制限したいときのために、猫用扉はロックできるものをチョイスしました。LDKで掃除機をかけるときも、廊下に猫ちゃんを出してロックをかけておけば、猫ちゃんが埃を吸ってしまう心配もありませんね。
猫ちゃんの自由なパトロールと、安全を叶えるリフォームが完成しました。
事例5:床暖房で一年中過ごしやすく
こちらの事例では、築年数が長く、冬の底冷えに悩まされていたお家にリフォームで床暖房を設置しました。
足元からポカポカと暖かいので、寒い冬でもエアコンやヒーターなどの暖房器具は必要ありません。風がおこらないので、ペットの抜毛が舞うこともなく、お掃除も楽々です。
床材の色は、落ち着いたキッチンの色味に合わせてダークブラウンをチョイス。
お家の趣を残しつつ、猫ちゃんにとっても人にとっても快適なリフォームとなりました。
事例6:寝室の一角に猫専用スペースを設置
こちらは、玄関以外のほとんどのお部屋がつながるように間取りを変更した事例です。オープンな間取りになったことで、猫ちゃんが家中を自由に行き来できるようになりました。
お休みの時も一緒に過ごせるように、寝室の一角には猫ちゃん専用のペットスペースを配置。来客時などは、猫ちゃんが安心して過ごせるスペースとしても重宝します。
壁の上に格子を設置して、常にお互いを感じられる空間が完成しました。
事例7:ワンちゃんが日向ぼっこできる専用スペース
元々、暗く狭い風通しの悪いリビングを改善するためのリフォームをご検討されていたお施主様。間取り変更に伴って、新たにワンちゃんスペースを設けました。
スペースは約1畳を確保。日当たりがいいので、ワンちゃんもポカポカと気持ちがよさそうです。以前より外の音が気にならなくなったそう。すぐ庭に出れるので、お散歩前後の動線もよくなりました。
まとめ
「ペットのためにわざわざリフォームが必要?」と思う方も多いかもしれません。しかし、おうちをペット仕様にリフォームすると、いたずら対策や匂い対策ができるなど、ペットだけでなく人や住まいにとってもたくさんのメリットがあります。
例えば、傷や汚れに強い床材を選べば、ペットが粗相した時もさっと簡単に掃除できます。傷に強い素材の壁紙は、猫の爪とぎ対策にも効果的です。
ただし素材によっては、ペットの健康に悪影響を及ぼす恐れもあるので要注意。ペットリフォームでは、「足腰に優しいか」「床材は滑りにくくないか」など、ペットにあった素材を選ぶことが大切です。また工事中は、騒音や業者の出入りがストレスにならないよう、落ち着ける避難場所を用意してあげてくださいね。
ペットリフォームについて相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。ペットの習性や悩みをお伺いして、ご自宅に最適なリフォームをご提案させていただきます。
記事の監修者
リフォームアドバイザー
藤本塁
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。
お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。