リフォームコラム

屋根修理に火災保険は使える?適用条件から保険申請時の流れまで

台風や竜巻などの強風、雹(ひょう)や雪といった自然災害が原因で屋根が破損してしまった場合、「火災保険」を適用できる可能性があります。

今回の記事では、屋根修理の費用相場や、火災保険を適用できるケースとできないケースの違いを詳しく解説いたします。

この記事を読み終わったらすぐに保険会社へ問い合わせできるように、火災保険の申請の流れも5つのステップでご紹介します。保険金の請求と聞くと面倒そうだと思われるかもしれませんが、意外と簡単です。スムーズに手続きを進めるためにも、ぜひ参考にしてください。

屋根修理にかかる費用相場

屋根が破損した場合、どの程度の修理費用がかかるのでしょうか。破損ケース別におおよその費用相場をまとめました。

破損ケース費用相場
スレート屋根の部分修理15~30万円
瓦屋根の部分修理15~30万円
屋根の棟の部分修理20~35万円
雨どいの修理10~30万円
雨漏りの修理20~35万円

被害の場所や程度によりますが、数十万円の費用がかかります。修理規模や選ぶ業者によって異なるものの、もし全体的な改修が必要な場合は、200万円程度かかることも。

屋根の破損はそのままにすると、余計にひどくなってしまうこともあるため、早めの修理をおすすめします。高額な費用を軽減するために、現在ご加入の火災保険で補償対象になるか、保険金を申請できるかを調べてみましょう。

屋根修理で火災保険は適用可能!

屋根修理には、火災保険が適用可能です。

そもそも火災保険とは、火災や自然災害によって建物や家財に被害が出たとき、補償してくれる保険のこと。火災という名称なので火事になったときしか使えないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、自然災害も補償の対象になり、屋根修理でも使えますのでご安心ください。

火災以外の自然災害にも使えることに気づかず申請し忘れると、保険金をもらえなくなってしまいます。手続きは難しいものではありませんので、活用していきましょう。

ただし屋根の破損の原因が、地震・津波・噴火などの場合は火災保険ではなく「地震保険」の対象となります。保険証券の内容をよく確認しながら、手続きを進めていきましょう。

補償対象となる屋根の被害例

屋根にどのような被害がでたら、火災保険が申請できるのでしょうか。火災保険の補償対象となる、屋根の被害例です。

  • 屋根棟(屋根の一番上のところ)が破損した
  • スレートやトタンなどの屋根材がはがれた
  • 瓦が崩れた
  • 屋根の上のアンテナが倒れた
  • 台風によって雨漏りしている
  • 強風による飛来物や雹で屋根に穴があいた

雨どいや外壁など、屋根以外の部分の修理費用も、このあと紹介する条件にあてはまっていれば補償の範囲内です。

保険のプランにもよりますが、建物だけでなく家財の補償もついているプランに加入していれば、被害にあった家電や家具の損害も補償対象です。

屋根修理のための諸費用も補償対象となる

屋根修理のためにかかった諸費用も対象となります。諸費用とはたとえば下記のような場合です。

  • ブルーシートで応急処置するのにかかった費用
  • 修理のための足場組立費用
  • 足場や周辺の保護といった養生代
  • 工事前の現地調査費用
  • 見積もり作成のための費用
  • 後片付け費用

屋根が大きく破損すると、ブルーシートで一時的に覆うといった応急処置が必要なことも。そういった工事前の仮の処置費用も、補償の対象内です。

工事のときには高所での作業のため、足場を組んだり養生したりする費用がかかります。また、大きな破損ならごみを引き取ってもらう処分費用も必要です。

何にいくら費用が発生したかを把握し、領収書があるものはしっかり保管しておきましょう。

屋根修理に火災保険を適用できる3つの条件

屋根修理に火災保険が適用できるとお伝えしましたが、修理費用が無料になれば、負担なく修理ができますね。

しかし、保険適用には3つの条件があります。屋根の破損原因・破損からの年数・免責金額がキーワードです。

条件が1つでも当てはまらなければ、火災保険は適用できないため、あらかじめ確認しておくことが大切です。火災保険適用の3つの条件にあてはまっているか、1つずつチェックしていきましょう。

屋根の破損原因が「風災・雹災・雪災」である

1つめの条件は、屋根の破損原因が「風災・雹災・雪災」であること。

風災(ふうさい)とは、強風による被害です。風の強さの判断基準は、最大瞬間風速が20m/s以上であること。台風以外にも、突風・竜巻・春一番などの風による被害も風災です。

雹災(ひょうさい)とは、氷の粒である雹による被害です。直径5mm以上の氷の粒を雹と呼びます。大きなものはゴルフボールほどのサイズになることもあり、あたると大変危険です。大きな雹が勢いよく落ちてくれば、屋根に穴があくほどの威力があります。

雪災(せつさい)とは、豪雪や雪崩による被害のことです。雪の重みに耐えられず屋根が壊れた場合は、雪災にあてはまります。ただし、雪どけ水による浸水は「水災補償」の対象のため、雪災には該当しません。

屋根修理の必要性が生じてから3年以内である

2つめの条件は、屋根になんらかの被害があって、修理の必要性が生じてから、3年以内の申請であることです。たとえば「4年前の台風が原因で屋根に不具合が生じたが、最近になって直そうと思った」場合、補償の対象ではないので注意しましょう。

逆に修繕済みの場合でも、3年以内の被害で、被災前後の写真など証明できるものがあれば保険金を受け取れるかもしれません。

屋根修理が必要になった場合は、気づいたそのときに対処することが大切です。早めに修理したり、保険を使いながら手当をしたりして、大切な家を守っていきましょう。

屋根修理にかかる費用が免責金額を超えている

3つめの条件は、屋根修理にかかる費用が免責金額を超えているかです。免責金額とは「この金額を超えたら補償します」という設定金額のこと。

たとえば免責金額を20万円に設定していれば、20万円を下回った屋根修理に保険金は支払われません。
免責金額は20万円となることが多いですが、保険会社によるプランや特約によって変わるため、加入している保険の保険証券を確認しましょう。

屋根修理に火災保険を適用できないケース

屋根修理に火災保険を適用できないケースがあります。
屋根の破損原因が下記の3つの場合です。

  • 経年劣化
  • 施工不良
  • 人的なもの

屋根は屋外で雨風にさらされているので、少しずつ劣化していきます。この経年劣化は火災保険は適用できないので注意しましょう。たとえば、雨漏りの原因が老朽化であれば、保険を適用できません。

次に、屋根の破損の原因が「施工不良」の場合も火災保険を適用できません。もともとの施工がしっかりされていなかったことが原因で、被害が出てしまったケースです。施工をおこなった業者に、今後の対策を検討してもらわなければいけません。

また、原因が人的なものの場合も火災保険の適用外となります。自然災害が原因ではなく、人がわざと壊した場合です。

さらに強風による被害でも、最大瞬間風速20m/s未満の風が原因で屋根が破損した場合は、風災として認めらないことも。その場合、火災保険の適用対象外になる可能性がありますのでご注意ください。

【5STEP】屋根修理に火災保険を申請するときの流れ

それでは、屋根修理で火災保険を申請する流れを、5つのステップに沿って解説します。保険の申請と聞くと面倒に感じるかもしれませんが、内容を知っておけば簡単です。

ステップに沿って、保険の申請と修理業者への見積り依頼を同時に進めながら、スムーズに手続きをしていきましょう。

STEP1:保険会社へ問い合わせる

まず、ご加入の保険会社へ問い合わせて、必要な書類を送付してもらいましょう。下記の書類を郵送してくれます。

  • 保険金請求書
  • 事故状況説明書

事故状況説明書は、必要ない場合もあります。

問い合わせの際は、屋根の破損状況や発生日、どんな風に被災したのかを伝えると手続きがスムーズです。状況のメモを日付ごとにとっておき、問い合わせるときはメモを見ながら電話をすると良いでしょう。

電話以外にも、チャットやビデオ通話を利用できるところもありますので、ご都合の良い方法を選んでください。

STEP2:必要書類を準備する

保険会社から書類が届いたら、その他の必要書類もあわせて準備していきましょう。必要な書類は下記の通りです。

保険金請求書 保険金を請求するため保険会社へ提出する書類。被災した日付や、保険金の振込先となる口座などの詳細を記入する。
事故状況説明書 いつ、なにが、どうなったといった屋根の被災状況を説明するための書類。保険のプランによっては必要ない場合も。
工事の見積書 修理業者に調査してもらい、屋根の修理工事にかかる費用を計算した書類。
被災箇所の写真 被害の状況をわかりやすく撮った写真。修理業者に頼み、現地調査や見積もり作業をするときに撮ってもらう。

STEP3:屋根修理業者へ見積もりを依頼する

書類作成と並行して、屋根修理業者やリフォーム会社への見積もり依頼を進めましょう。修理業者に「火災保険を使いたい」旨を伝えておくと、必要な手続きのサポートをしてくれるので、スムーズに進められます。

ここで重要なのは、複数の業者に見積もりを依頼すること。大切な家を守る屋根ですから、1箇所で済ませてしまわず、より良い業者に頼めるよう複数の業者から「相見積もり」を取りましょう。修理業者を選ぶ基準は、屋根修理の実績が多く、火災保険の申請にも精通しているところを探すのがベスト。

修理業者を比較する際は、金額や修理の内容、見積もり時の仕事の丁寧さや、疑問にきちんと答えてくれるかといった点をチェックして、メモしておくと比較しやすいでしょう。

また、申請時には被災箇所の写真が必要です。屋根の被災箇所の写真は、自分で撮るのは危険ですので、修理を依頼する業者に撮ってもらうことを忘れないようにしましょう。

STEP4:保険会社へ必要書類を送付する

書類がそろったら、書き漏れがないか再度チェックし、保険会社へ送付します。写真も忘れず送りましょう。
送付し申請が完了したあと、場合によっては保険会社から保険鑑定人が派遣される場合も。保険鑑定人は申請の内容に間違いがないかをチェックしにきます。
保険金詐欺防止のために保険会社がおこなっているものですので、協力しましょう。内容に間違いがないと確認されれば、保険金がおりますので安心してください。

STEP5:申請が受理され保険金の支払いが完了する

保険金の申請が通れば、手続きが完了してから30日以内に保険金が支払われるのが原則です。大規模な災害が起こったときは、それ以上かかることもあります。

実は受け取った保険金に用途の指定はないので、使い道は自由。別の費用に充てても問題はありません。余ったお金を他のリフォーム費用に充てたり、娯楽費にまわしたりすることも可能です。

まとめ

屋根修理で火災保険が使えること、修理費用だけでなく諸費用も補償されることをお伝えしました。

保険適用のための3つの条件と、適用されないケースを確認していただいたあとは、保険会社に連絡し、信頼できる修理業者やリフォーム会社を探しましょう。

12万件を超える施工実績を持つスペースアップでは、保険会社とのやり取りから事務手続きにいたるまで、火災保険の申請をサポートさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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記事の監修者

設計士

西村佳晃

一級建築士 / 一般耐震技術認定者 / 宅地建物取引士

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。

建物の構造に関する判断を行い、 地震に強く、安心して住める『強い家』を設計。プランナーの提案する図面を建築基準法に基づいた設計基準に照らし合わせ、 必要な補強を行い、採光などバランスの一番良い設計図面として仕上げます。