リフォームコラム

ミニキッチンの魅力とは?設置を検討する際の注意点や費用を解説

二世帯住宅や賃貸アパート、狭小住宅、オフィス兼自宅。大きなキッチンは必要ないけれど、ちょっとお湯が沸かせたり簡単な調理ができたりするスペースがあったら便利だなという場所もありますよね。そんなときにリーズナブルかつ省スペースで設置できるのが、ミニキッチンです。今回はミニキッチンの用途や機能、おすすめのメーカーや選び方のポイントなどをご紹介します。

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ミニキッチンとは?

ミニキッチンとは、一般的なキッチンの半分〜1/3程度とコンパクトなサイズのキッチンのこと。二世帯住宅のサブキッチンや単身者向けアパート、オフィスの給湯室などによく使われます。

主な機能としては、一口コンロと小さめのシンク、作業台が基本。下部は扉付きの収納スペースになっていたり、オプションでコンパクトな冷蔵庫や電気温水器を入れたり。上部に棚や照明がついている背の高い商品もあります。

車椅子や座ったままでの作業をしたい方には、足元に収納等のないオープンなミニキッチンを。姿勢を保持するためのサポートバーがついていたり、浅型シンクが採用されていたりと、座ったままで使いやすいような工夫が随所に見られます。

ミニキッチンの種類について

引用:LIXIL

ミニキッチンは大きく分けて「フルユニットタイプ(ボックスタイプ)」と「ハーフユニットタイプ」の2種類。キッチンの用途や設置場所によって使い分けます。

フルユニットタイプ(ボックスタイプ)

フルユニットタイプは、コンロ・シンク・調理スペースの3点に加えて、上部の棚や照明などがすべてついている背の高いタイプ。価格はハーフユニットに比べて高価になります。
コンパクトなキッチン内にすべての機能が集約されており、住宅からオフィスまで省スペースで大活躍。とくに狭いスペースで食器棚などの家具を置けない場合におすすめです。

ハーフユニットタイプ

ハーフユニットタイプは、コンロ・シンク・調理スペースの3点のみのタイプ。ハーフユニットタイプの下半分のみのイメージで、価格は割安になります。
高さがないので、圧迫感が少ないのがメリット。シンプルな見た目なので、インテリアにも馴染みやすいでしょう。
キッチン自体に照明はついていないので、お部屋の照明で作業をするか、別で照明をつける必要があります。上部の棚はないので、足りない分は食器棚や壁面収納などを組み合わせるとよいでしょう。

ミニキッチンの主なサイズ

ミニキッチンは、一般的なキッチンに比べて間口も奥行もコンパクトです。サイズはメーカーによっても異なりますが、主なサイズは下表のとおりです。

間口(横幅)奥行
ミニキッチン90cm / 105cm / 120cm / 150cmなど50~60cm
一般キッチン210 cm / 240cm / 255cmなど60~70cm
※カウンターの場合+20~30cm

ミニキッチンでもしっかりと調理したい場合は、作業スペースが十分にとれる間口120〜150cmのタイプがおすすめ。90〜105cmのミニキッチンはコンロとシンクの間のスペースがほとんどないので、簡単にお湯を沸かすくらいの作業になります。

ミニキッチンの設置がおすすめの住まいとは?

一般的なキッチンとは違って、コンパクトなスペースに設備をつめこんだミニキッチン。設置場所としては、二世帯住宅やオフィス併設の住宅、本格的なキッチンが必要ないご家庭などにおすすめです。

親子で暮らす二世帯住宅

二世帯住宅で玄関や浴室は共有でよくても、キッチンだけは「料理や片付けの仕方が違うから」などの理由で、世帯ごとにほしいという方が多いもの。たとえば共働き家庭で平日はおばあちゃんがメインで料理をするなら、親世帯にメインのキッチンを。子世帯用としてミニキッチンを設置すると、夜遅い時間にも気兼ねせずお湯を沸かしたり夜食をつくったりできます。

高齢の親と同居する住まい

高齢になった親を自宅に呼び寄せて同居するご家庭もあるでしょう。その際に親の寝室まわりにミニキッチンを設置すると、わざわざ共有スペースに移動することなくお茶をいれたり調理をしたりできて便利。コンパクトなスペースで生活を完結させることで、足腰の弱くなってきた方もワンルームやホテル暮らしのように快適にすごすことができます。

生活時間の異なる家族がいる住まい

家族に深夜帰宅する方がいたり、夜勤のある方がいたりする場合もミニキッチンがあると便利です。たとえば寝室とメインのキッチンが近いと、深夜に調理をすると家族を起こしてしまう心配がありますよね。そんな場合は寝室から離れた場所にミニキッチンをつくると、夜中でも家族を起こしてしまう心配をせずに、調理をすることができます。

本格的な調理をしない方の住まい

仕事で忙しかったり、外食やテイクアウトが多かったりと、普段からあまり料理をしない方は、通常サイズのキッチンを持て余しがち。お湯を沸かしたり、レトルト食品を湯煎したりするくらいなら、本格的なキッチンではなくミニキッチンでもよいかもしれません。キッチンがコンパクトになるぶん居住スペースを広くとることができ、キッチンの掃除も楽になります。

自宅の一角にオフィスがある住まい

自宅の一部をオフィスとして使っている方は、オフィススペースにミニキッチンがあるととても便利です。居住スペースが別の階にあると、仕事中にコーヒーを飲みたくなったときや、来客にお茶をだすときにわざわざキッチンまで移動するのは大変ですよね。オフィスにミニキッチンがあると、居住スペースに移動することなくすばやく来客用のお茶を用意したり、簡単なお昼ご飯を準備したりできます。

ミニキッチンのリフォームの費用相場や価格

  • ミニキッチンの本体価格:約10〜30万円
  • ミニキッチンを交換する:約30〜50万円
  • ミニキッチンを新設する:約100万円

ミニキッチンの本体価格は約10〜30万円ほど。メーカーやサイズ、オプション等によって値段が上下します。一般的なサイズのシステムキッチンの本体価格が約50〜150万円ということを考えると、ずいぶんコスト削減に。ミニキッチンは最低限の設備しかついていないので、オプションを追加したい場合は、必ず見積もりに加えてもらうようにしましょう。

本体価格に加えてかかるのが、古い設備の撤去費用や新しい設備の設置費用、給排水工事費用、電気ガス工事費用などの工事費です。ミニキッチンの移動や新設をする場合は、内装リフォームや給排水管の移動・延長などで、リフォーム費用が高くなる傾向にあります。またミニキッチンの場所によっては、給湯器の増設や交換が必要になることもあるため、リフォーム会社にご相談ください。

リフォーム費用をなるべく安く抑えたいなら、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターや電気温熱機にするのもおすすめです。ガス工事が不要となるため、リフォーム費用が安くなる可能性があります。

ミニキッチンの設置を検討する際の注意点

ミニキッチンを交換・移動・新設するリフォームを行うなら、次のようなポイントに気をつけましょう。

用途に合わせたミニキッチンを選ぶ

キッチンの用途によって、ミニキッチンに求められる設備は変わってきます。たとえばお茶を入れる、レトルト食品を温める程度の簡単な作業であれば、一口コンロと小さなシンクがあれば問題ありません。温めには電子レンジを使うのでコンロが不要という方もいるでしょう。

しかしまな板や包丁を使ってちょっとした調理もしたい場合は、コンロとシンクの間に作業スペースが必要です。間口90〜105cmとコンパクトなミニキッチンでは作業スペースをとるのが難しいので、120〜150cmの少し広めなコンパクトキッチンも検討されるとよいかもしれません。

給湯器や給排水管の位置を確認する

ミニキッチンでお湯を使いたい場合、給湯器も必要になります。既存の給湯器まで距離が遠いと、お湯が出るまでに時間がかかってしまうので、給湯器をもう一台増設したほうがよいかもしれません。また給湯器の容量が小さすぎると複数箇所で同時にお湯が使えないので、ライフスタイルによっては新しい給湯器への交換も検討しましょう。

ミニキッチンを移動・新設する場合は、給排水管の位置も要確認です。既存の給排水管までが遠いと、延長工事で費用がかさむこともあります。

内装リフォームが必要な場合もある

キッチンを移動・新設するときは、壁紙や床材の張り替えも必要になるケースがあります。また壁を造作する工事が発生することもあるでしょう。

内装リフォームの費用は、施工面積や使用する内装材によって大きく費用が上下します。見積もりの際にリフォーム会社によく確認しましょう。

ミニキッチンを選ぶ際のポイント

ミニキッチンは、次のようなポイントについて考えながら選びましょう。

コンロの種類

ガスコンロのほかにも、火を使わないIHクッキングヒーター、電気調理器などが選べます。お湯を沸かしたり調理したりする必要がなければコンロなしでも。コンロがない場合は換気扇も不要になります。

冷蔵庫(オプション)

大きな冷蔵庫が不要、もしくは冷蔵庫をおくスペースがないなら、下部のキャビネットに小さな冷蔵庫が組み込まれたタイプもおすすめ。冷蔵庫は40Lサイズのワンドアタイプが基本です。

デザイン

ミニキッチンのデザインは、白いシンプルなものが中心。しかしメーカーによっては扉の色がカスタマイズできたり、モルタル調や全面ステンレスなどスタイリッシュな商品もあります。
もしミニキッチンでお好みのデザインが見つからなければ、小間口に対応できる通常のキッチンまで選択肢を広げて探してみるのもよいでしょう。

【メーカー別】ミニキッチンの魅力

ミニキッチンはさまざまなメーカーが取り扱っています。今回はそのなかでも人気の高い「LIXIL・Panasonic・クリナップ・タカラスタンダード・ハウステック・サンワカンパニー」のミニキッチンの特徴をご紹介します。

LIXIL

引用:LIXIL

システムキッチンでも高いシェアをほこるLIXIL。安定した品質と、コストパフォーマンスの高さが魅力です。ミニキッチンは4つのタイプが用意されているので、用途に合わせて選びましょう。間口は90cm/105cm/120cm/150cmの4種類です。

①冷蔵庫タイプ:下台が40Lの冷蔵庫+扉付き収納スペース
②扉タイプ:下台すべてが扉付き収納スペース
③飲料用電気温水器タイプ:下台に素早くお湯を沸かせる温水器を内蔵
④オープンタイプ:車椅子や座ったまま作業しやすいタイプ

Panasonic

引用:Panasonic

パナソニックのミニキッチン「キッチンユニットMKV」は、真っ白でシンプルなデザイン。上部がバラバラに組み立てられ、下部のみのハーフユニットタイプも選べます。下部のキャビネットは扉付き収納タイプとオープンタイプがあって、扉タイプにはオプションで冷蔵庫をつけることもできます。

①扉付き収納タイプ:90cm/105cm/120cm/150cm
②オープンタイプ:90cm/105cm/120cm

クリナップ

クリナップのミニキッチンも、シンプルなデザイン。間口90cm /105cm /120cmの3サイズで、ガスコンロ・電気コンロ・IHクッキングヒーターの3種類から選べます。

車椅子や高齢の方には、ユニバーサルデザインを取り入れた「コラーノ」というシリーズもおすすめ。もう少ししっかりとした機能が欲しい場合、賃貸物件向けのコンパクトキッチン「コルティ」という選択肢もあります。コルティは間口90〜210cmと幅広く選ぶことができます。

タカラスタンダード

タカラスタンダードのミニキッチンは間口90cm /120cmの2サイズ。ステンレス製のコンパクトシンクに、火を使わない電気調理器がついています。キャビネットの扉裏に包丁差しがあり、オプションで40Lの冷蔵庫をつけることも可能です。

もっと機能やデザインにこだわりたいなら、コンパクトキッチン「アピスカ」も120〜180cmの小間口に対応しています。

ハウステック

ハウステックの「ミニキッチンKM」は白×黒のカラーリングが基本ですが、扉の色をグレージュやオークなどカスタマイズすることもできます。インテリアに合わせたミニキッチンがほしい方におすすめです。

電気コンロ・ガスコンロ・コンロ無しプランがあり、冷蔵庫や電気温水器を組み合わせることも。間口は90cm/105cm/120cm/150cmの4タイプあるので、大きめの間口をお求めの方にも対応できます。

サンワカンパニー

サンワカンパニーでは、通常のシステムキッチンをそのまま小さくしたような、高級感のあるミニキッチンがラインナップされています。おしゃれな家のセカンドキッチンやデザイナーズの賃貸住宅におすすめです。下記のモデルは一部で、インダストリアルやモダンなインテリアに合わせやすいミニキッチンが豊富なので、お好みのデザインを探してみてください。

  • モルタナ:モルタル調がかっこいい
  • グラッド45コンパクト:ステンレスを全面に使用
  • センシー:無駄のないシャープなデザイン
  • ミニモラス:足元スッキリで座ったまま使用OK

まとめ

ミニキッチンはワンルームなどの賃貸住宅以外でも、二世帯住宅やオフィス兼住宅などのセカンドキッチンとしても使えます。一般的なキッチンに比べて省スペースかつコストも安いので、日常的にあまり調理をしないので高価なキッチンは不要という方にもおすすめです。シンプルなデザインが多いですが、なかにはステンレスやモルタルなどバリエーション豊富なメーカーもあるので、インテリアに合わせておしゃれにコーディネートすることも可能。一般的なキッチンかミニキッチンか迷っている方も、おすすめの商品をご提案できますので、気軽にご相談ください。

記事の監修者

リフォームアドバイザー

藤本塁

お客様のお困りごとやご要望を伺い、提案から完工までをトータルでサポート。お客様からのご依頼に合わせて、豊富な知識と経験を駆使し、安心安全快適な暮らしをご提案。商品の特性や選び方から費用の目安など、理想の暮らしをご検討する際のポイントや注意点を、わかりやすくお伝えします。

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